最後の近鉄戦士・坂口智隆は起業家として「就活中!」 野球解説も書籍出版も釣りも「自分が仕事と思えば仕事になる」 (4ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • photo by Wada Satoshi

●夢は監督「ラクさせてあげる指導者に」

ーー指導される機会も増えていることと思います。スワローズファンからは「コーチとして戻ってきて」という声もかけられていました。

 こればっかりは僕の力ではなんともならないですけどね(笑)。でも将来は監督をやりたいっていう夢もあります。しっかりと野球を勉強していこうと思います。

ーー書籍では、高校(神戸国際大付)時代の青木尚龍監督や近鉄時代の鈴木貴久2軍打撃コーチといった指導者との印象的なエピソードも多くつづられています。理想としている指導者像はありますか?

 理想像はひと言で言えば、"ラクにさせてあげられる指導者"になりたいです。野球って奥が深いスポーツなので、言っていることも難しくなってしまいがちです。それでにっちもさっちも行かなくなったことは、僕自身も経験しています。

 たとえば、ヒットを打てずに思い悩んでいたとします。でも、凡打にもいろんな意味があるんです。そういう考えにシフトできると、そのうち勝手にヒットが出始めるし、プレーにも深みが出てくると思うんです。

 僕はホームランバッターではなく、脇役というかつなぐ役でした。だからこそ、ひと言でハッと気づきを与えられる、気持ちをラクにさせてあげられる指導者になりたいですね。


インタビュー後編<村上宗隆、山田哲人の不調は「チームが成長するチャンス」 OB坂口智隆が最下位転落のヤクルトに「今はこういう時期」>


【プロフィール】
坂口智隆 さかぐち・ともたか 
1984年生まれ、兵庫県出身。神戸国際大付属高では2年時に春の甲子園に出場。卒業後の2003年、ドラフト1位で大阪近鉄バファローズ(当時)入団。2008年から4年連続でゴールデングラブ賞。2011年には全144試合に出場しリーグトップの175安打を記録。2016年に東京ヤクルトスワローズに移籍し、2022年シーズンをもって現役引退。現在は野球評論家として活動している。

プロフィール

  • 和田悟志

    和田悟志 (わだ・さとし)

    1980年生まれ、福島県出身。大学在学中から箱根駅伝のテレビ中継に選手情報というポジションで携わる。その後、出版社勤務を経てフリーランスに。陸上競技やDoスポーツとしてのランニングを中心に取材・執筆をしている。

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