村上宗隆、山田哲人の不調は「チームが成長するチャンス」 OB坂口智隆が最下位転落のヤクルトに「今はこういう時期」

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • photo by Wada Satoshi

坂口智隆インタビュー後編(全2回)

 2021年、2022年と2年連続でセ・リーグを制しながらも、今シーズンの東京ヤクルトスワローズは不振に喘いでいる。

 開幕直後こそ球団新記録の開幕5連勝と好スタートを切ったものの、5月には12連敗の屈辱を喫し、交流戦でも巻き返すことができなかった。6月27日時点で首位と14ゲーム差の最下位に沈んでいる。

 前年王者の苦闘について「これがプロ野球なんです」と語るのは、昨年までスワローズでプレーし、現在は解説者として活躍する坂口智隆氏。苦戦が続くスワローズの今季前半戦を振り返り、後半戦の展望を聞いた。

7月に39歳を迎える坂口智隆氏7月に39歳を迎える坂口智隆氏

●古巣の最下位に「今はそういう時期」

ーースワローズの前半戦の戦いぶりをどのようにご覧になっていましたか?

坂口智隆(以下、同) これがプロ野球かなという感じがしています。他球団からすれば、2年連続でリーグ優勝されたのですから、3連覇は阻止しなければならない。

 何がなんでもという思いでスワローズを倒しにいくわけですよ。簡単に勝ち続けられるほど、甘い世界ではないというわけです。

ーーファンはヤキモキしていると思います。

 リーグ2連覇しましたが、何事もずっとうまくいくことはない。不調な時期を経て、また強くなっていくんだと思います。人も、失敗を繰り返して、だんだんできるようになっていくわけじゃないですか。それと同じことだと思います。

 勝負事なので、勝ち負けは絶対に発生するんですよね。なおかつ"流れ"のスポーツでもあるので、悪い流れから抜け出すために、みんな今頑張っている最中だと思います。

 僕が在籍していた時には5位が1回、最下位には3回なりました。16連敗(2019年)も経験したし、シーズン96敗(2017年)を喫したこともある。僕がおる時は連敗ばっかりやった(笑)。それでも、チームは強くなって2連覇を成し遂げたわけじゃないですか。今はこういう時期なんだと思って、見守るしかないです。

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