新庄監督2年目の日本ハム好調の要因を鶴岡慎也が分析 「昨年の作戦が生きている」

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

 昨シーズン、新庄剛志監督1年目の日本ハムは、5位ロッテに9ゲーム差をつけられ断トツの最下位に沈んだ。だが今季は、ここまで(6月22日時点/以下同)31勝35敗でパ・リーグ5位につけ、先日幕を閉じた交流戦は10勝8敗と勝ち越し、全体5位の好成績を残した。新庄監督2年目の躍進の原因はどこにあるのか。日本ハムOBの鶴岡慎也氏が好調の理由を分析する。

日本ハムの指揮官となって2年目を迎えた新庄剛志監督日本ハムの指揮官となって2年目を迎えた新庄剛志監督この記事に関連する写真を見る

【球界トップクラスの投手陣】

── 昨年、パ・リーグの規定投球回に到達した投手9人中、3人が日本ハムの投手でした。

鶴岡 日本ハムは投手力で勝負するチームです。それが開幕直後は加藤貴之投手、上沢直之投手、伊藤大海投手の先発三本柱の調子が良くありませんでした。しかし5月になって、本来の調子を取り戻しました。この3人の"試合をつくる能力"は、パ・リーグのなかでも屈指です。

── なかでも、加藤投手の安定感は群を抜いています。

鶴岡 加藤投手のコントロールのよさは、長いプロ野球の歴史のなかでもトップクラスだと思います。9イニングでの平均与四球が2.00個以内で「抜群のコントロール」と言われるところ、加藤投手は昨年0.67個でした。かつては、ストライクをとれるコントロールだけだったのが、今はストライクゾーンの四隅にいろいろな球種を投げ分ける繊細なコントロールが加わりました。5月は、4試合に先発して投球回30イニングでわずか2四球(9イニング平均与四球0.60個)。3勝、防御率0.30で月間MVPに輝きました。

── また鈴木健矢投手は、現在リーグトップタイの6勝をマークしています。

鶴岡 鈴木投手の成長は大きいです。加藤投手も鈴木投手も力投型ではないので、中6日ではなく、中5日で回せます。本格派右腕の上沢投手と伊藤投手、技巧派左腕の加藤投手、アンダースローの鈴木投手と、先発陣はバリエーションが豊富。それが好循環を生んでいます。

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