「山川穂高問題」だけが理由じゃない! 伊原春樹が松井稼頭央新監督の西武が苦戦している理由を分析 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

【今年の西武は2014年に似ている】

── 2002年に西武の監督に就任した伊原さんは、前年3位だったチームを優勝に導きました。しかも16.5ゲーム差の圧勝劇でした。

伊原 稼頭央を1番に固定し、4番のアレックス・カブレラが55本塁打。また捕手だった和田一浩をレフトにコンバートして5番で起用。投手陣では森慎二が最優秀中継ぎ、豊田清が最多セーブのタイトルを獲得しました。チームとして戦う形ができていました。

 しかし、2度目に就任した2014年は違いました。チームの中心を担っていた涌井秀章、片岡治大、デニス・サファテが移籍し、2年連続40盗塁のエステバン・ヘルマンもオリックスへ。それに4番を打っていた中村剛也も脇腹痛で出遅れました。さすがに、いかんともし難かったです。今年の西武はその時を彷彿とさせます。

── 西武は監督就任1年目に好成績を残すというジンクスがあります。

伊原 私を含め、伊東勤、渡辺久信らが西武の監督就任1年目に優勝したこともあって、稼頭央にも期待するでしょうが、監督には運、不運のめぐり合わせというのがあります。"適材適所"という言葉がありますが、今の西武は適所にあてはめる適材が不足してしまっている。稼頭央にとっては試練の1年目ですね。ちなみに、東尾修監督は3年目から、辻発彦監督は2年目からそれぞれリーグ連覇を果たしました。だから、稼頭央も頑張ってほしいですね。

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