緒方孝市が評価する「新井カープ1年目」の選手起用法 ファンが集うバーチャル空間「カープ県」についても語った (3ページ目)

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【期待の若手、林と中村の魅力】

――今季の守備では、ショートが固定できていないことも気がかりです。レギュラーを掴んだかに思えた小園海斗選手が開幕から不調で出場選手登録を抹消され、田中広輔選手、上本崇司選手らで回している状態です。

緒方 小園も高卒5年目ですから、本来であれば主力としてやってくれないといけない選手なんですが......開幕から期待された成績が残せませんでした(19打数1安打)。やはりセンターラインを固定できないのは痛いです。ただ、元気を取り戻しつつある田中、昨シーズンにキャリアハイの成績(94試合の出場ながら打率.307)を残した上本、若手の矢野雅哉などにとってはチャンスでもありますね。

――大卒3年目の矢野選手をはじめ、新井監督は若手の選手を積極的に起用している印象があります。

緒方 そうですね。スタメン選手のケガによる離脱もありますが、林晃汰(高卒5年目)、育成ドラフト出身の中村貴浩(大卒1年目)なども出場機会を得ている。すぐに活躍することは難しくても、実戦での経験は成長につながりますし、それを積極的にやっていることは素晴らしいと思います。

――林選手、中村選手の魅力を教えていただけますか?

緒方 林は、巧打者が多い今のカープには少ない、左の長距離打者です。松山竜平なども、どちらかというと巧打者の部類ですからね。林は将来的に、クリーンナップを担うことが期待できる素材だと感じています。

 中村は、私が春の2軍キャンプに行った時に、首脳陣から「楽しみな育成の選手がいる」と紹介されたイチ押し選手だったんです。その時のキャンプにいた選手の中で、もっともいいバッティングをしていると。

 オープン戦の後半で打席に立っているのも見ましたが、タイミングの取り方がよく、バットの出し方がシャープだった。振る力がつけば1軍に上がってくるかな、と思っていたら、2軍で5打数5安打を打つなどして1軍に呼ばれました。1軍レベルの投手相手だと、速いまっすぐや変化球に苦しんでいるものの、それは"慣れ"ですから。大きく成長できる可能性があると思いますし、今後が楽しみです。

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