交流戦で見逃せない名勝負必至のマッチアップ5選...「侍ジャパン対決」、「離島の怪童vs肥後の怪童」など (2ページ目)

  • 菊地高弘●文 text by Kikuchi Takahiro
  • photo by Koike Yoshihiro

3.平良海馬(西武)vs村上宗隆(ヤクルト)

 離島の怪童(平良)と肥後の怪童(村上)。ともに2017年ドラフト入団の同級生対決も熱い。

 平良は昨季までリリーフとして通算94ホールドをマークする絶対的セットアッパーだったが、球団首脳への訴えが実って今季から先発に転向。7登板で4勝1敗、防御率2.30と上々のスタートを切っている。リリーフ時よりもストレートの投球割合を減らし、昨季まで投げていなかったカーブを使うようになるなど、打者にとっては狙い球が絞りづらくなっている。

 一方、村上は「村神様」と崇められた昨季から一転、今季は絶不調に苦しむ。リーグ3連覇を狙うチームも10連敗と失速し、早くも自力優勝が消滅してしまった。ただし、不振とはいっても村上はリーグトップタイの9本塁打を放っている。きっかけひとつで昨季の大爆発の再現を見せてくれるはずだ。

 平良が中6日のローテーションで先発登板し続ければ、6月11日のヤクルト戦で村上と激突する可能性が高い。インコースに食い込む平良のカットボールを、村上のキレのあるスイングが切り裂けるか。公式戦で両者の対決はまだ実現していないだけに、期待はふくらむ。

4.山下舜平大(オリックス)vs宮﨑敏郎(DeNA)

 今季、球界にセンセーショナルな風を吹かせているのが、山下舜平大だ。福岡大大濠からドラフト1位で入団して3年目の今季、山下は開幕戦で一軍デビューを飾った。2年目以降の選手が開幕投手としてデビューするのは史上初。WBCの影響で山本由伸と宮城大弥が先発できなかった事情を差し引いても、異例中の異例の出来事だった。

 190センチの長身から右腕を縦に振る、角度を生かした投球フォーム。常時150キロ台のストレート、高校時代から磨いてきた変化量の大きなカーブ、高確率で空振りを奪えるフォークと少ない球種でも抑え込める。

 宮﨑は35歳になる今季、キャリアハイに迫る勢いで打ちまくっている。打率.385はリーグ1位、本塁打9はリーグ1位タイ、打点27はリーグ4位。コンディションが万全ではないため欠場する試合も目立つものの、打席に立った以上は結果を残す、職人らしい働きぶりだ。

 現段階では中8日間隔で先発している山下は、6月10日のDeNA戦に先発する可能性がある。宮﨑だけでなく、牧秀悟、佐野恵大という実力派や、関根大気、桑原将志と旬を迎えた好打者との対決も楽しみだ。

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