阪神の村上頌樹は「上原浩治さんクラス」 関本賢太郎は盤石の先発ローテについて「みんなが表」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【今の先発ローテは「表」しかいない】

――続いては、6試合で5勝(0敗)、防御率0.48の大竹耕太郎投手。文句なしの成績ですが、今の活躍を想像していましたか?

関本 ここまでの成績には驚いていますが、キャンプで視察した時に「戦力になる」とは感じていました。ここ数年はコロナ禍で、ブルペンでピッチャーが投げる球をうしろから見ることができなかったんですが、今年は見ることができたんです。

 そこで感じたのは、真っ直ぐが同じ軌道でこないということ。いろいろな変化をしながら動くので、バッターは捉えにくいだろうと感じました。あと、大事な場面では低めをつける制球力があるのですが、それ以外の場面ではけっこう大胆なピッチャーだな、という印象でした。

――ソフトバンク時代、特に2019年シーズンはチェンジアップを武器に好投(5勝4敗)していた印象がありますが、それ以降はなかなか一軍で投げるチャンスがなかったですね。

関本 近年はスピードボールが注目されがちなので、大竹投手みたいに"打たせてとる"ピッチングスタイルが逆に際立っていますね。140kmを少し超えるくらいの真っ直ぐでも三振をとれますし、バッターからすれば「なんで打てないんだ」という感覚なんだと思います。

 あと、クロスに入ってくる真っ直ぐがいいので、チェンジアップも生きています。チェンジアップだけがよくて、他のボールがよくなかったらさすがに打たれますが、それ以外のボールも有効だと思います。カットボールやツーシーム、スライダーなど変化球も多彩ですよね。

――青柳晃洋投手は登録を抹消されましたが、それでも先発ピッチャー陣は先ほどの2人を含め、伊藤将司投手、西勇輝投手、西純矢投手、才木浩人投手と質・量ともに充実しています。

関本 青柳投手には復調してもらいたいですが、現状の先発ピッチャー陣でも相手にとっては脅威だと思います。ローテーションは「表」とか「裏」とか言われたりしますが、今はみんなが「表」という感じですね。「今日はたくさん点をとらないと」というような、ある程度の援護が必要な先発ピッチャーがいませんからね。リリーフの層も厚いですし、前回リーグ優勝した2005年のピッチャー陣よりも上かもしれません。

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