野村弘樹に聞く「ベイスターズ25年ぶりの優勝は?」 バウアーについては「まだ本物かどうかわからない」 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Koike Yoshihiro

── リリーフ陣についてはどうですか。

野村 抑えの山﨑康晃がここまで15試合(5月16日時点)に登板して0勝3敗9セーブ、防御率5.93というのが少し気になります。しかし、昨年3年ぶりに30セーブ以上を記録し、チームも2位に浮上しました。チームの浮沈のカギを握るのは山﨑ですし、彼に頑張ってもらわないと困ります。山﨑のほかには、右の入江大生、伊勢大夢、左のエドウィン・エスコバーは確立していて、左の石川達也も出てきた。中継ぎの層は厚いと思います。

【佐野恵太の1番起用は大ヒット】

── 打線は、首位打者経験のある宮﨑敏郎選手をはじめ、佐野恵太選手、牧秀悟選手と好打者が揃っています。

野村 今季の打線のポイントは「1番・佐野」でしょう。この1、2年、クリーンアップを打っていた佐野を1番にした時は、正直「どうなのかな......」と疑問視していました。裏を返せば、1、2番の適任者がいなかった。そうした背景もあり、昨年最多安打のタイトルを獲り、3年連続3割の佐野を1番にしたのでしょう。これが見事にハマりました。

 佐野はツボにくれば軽々とスタンドインできる長打力もありますので、投手からすれば試合開始で佐野を迎えるのは嫌ですよね。もう少し盗塁ができればいいのですが......関根大気あたりが1番を打てるようになれば、もっと攻撃の幅が広がると思います。

── チーム打率はリーグトップと往年の"マシンガン打線"を彷彿とさせますが、攻撃陣で気になるところはありますか。

野村 外国人打者ですね。タイラー・オースティンは昨年秋にヒジの手術を受けて、まだ復帰していません。ネフタリ・ソトは2018年、19年と40本塁打以上をマークし、昨年も17本塁打を放っていますが、今季はボール球に手を出しているのが目立ちます。

【昨年2位で優勝に現実味】

── 長年、固定できていないショートとキャッチャーのポジション争いに関してはいかがですか。

野村 ショートは、中日から京田陽太が加入したのは大きいですね。そこに大和、森敬斗、柴田竜拓、ルーキーの林琢真と、激しい競争が繰り広げられています。ライバルがいるのはいいことだと思いますし、それぞれ個性がありますのでいろんな起用が考えられます。

 捕手は嶺井博希がソフトバンクに移籍しましたが、今季は戸柱恭孝、伊藤光、山本祐大の3人が先発投手によって交代でマスクをかぶっています。今の時代、併用のほうが配球などの傾向は出にくくなり、個人的にはいいと思います。ひとりの捕手で長いシーズンを乗りきるのは大変ですから。

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