ロッテ吉井理人監督の選手起用法はバレンタインに「非常に似ている」 両者を知る清水直行が解説する「吉井スタイル」の特徴 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――確かに、和田康士朗選手も池田来翔選手も、一軍昇格後にすぐにスタメンで起用していましたね。

清水 選手の疲労も考えているかもしれないですね。試合以外でも、練習時間を短縮したり休みの日も固定するなど考慮している。スケジュールは裏方さん、球団も含め、すべて監督の方針で組んでいきますが、すごくやりやすい環境になってるんじゃないでしょうか。

 今後、交流戦に入って移動が多くなると、コンディションの維持はより大変になっていくので、そのあたりの考慮はさすがだなと。メジャー経験者で、各チームで投手コーチを務めた経験、野村克也監督や仰木彬監督、バレンタイン監督ら名将のもとで野球をやってきた中で培ってきた"吉井スタイル"が、試合以外でも存分に出ていると思います。

【多くの選手が「俺が打線の核になる」とギラギラ】

――先ほど内野手の話がありましたが、今シーズンはこれまで内野での起用が多かった平沢大河選手がライトで出場している点(2018年には外野手として87試合に出場)はいかがですか?

清水 平沢は昨シーズン、ファームでタイトルを獲得したこと(イースタン・リーグ首位打者)がかなり心の支えになっているのと、吉井監督からの信頼もあって安心してプレーしているのかなと。

 ただ、彼の癖なのか、"迷い"がすごく多いんです。打席に入るまでに考えが整理できず、腹を括って打席に入っているように見えません。打席に入ってからいろいろ考えることが多いので、それが払拭されれば、バットコントロールが優れているバッターですし、バットマンレースに食い込んでいく力はあるなと思っています。平沢の場合は、そこだけです。

 守備に関してはフライを捕るのはうまいし、足もある。ショートをやっていましたから肩も強いですしね。あとはバッティングの技術面よりも、考え方が整理できるとガラッと変わると思います。

――昨シーズンまで、特に長打はレオネス・マーティン選手やブランドン・レアード選手などに依存する傾向がありましたが、今シーズンは全員でつないでいく野球になっています。

清水 今年に関しては、外国人頼りになっていませんね。ポランコには打ってほしいのですが、彼が低調でも、全員でつなぐ野球でいい戦いができています。今年のチームの特長として、「俺が打線の核になる、チームを引っ張っていく」っていう姿勢が多くの選手に見えるんです。

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