ストライクゾーン、投手、言葉の壁...西武・マキノンが語る「野球とベースボールの違い」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Sankei Visual

 野球とベースボールの大きな違いとして、マキノンは「得点の生み出し方」を挙げた。

「日本ではバントやヒットエンドラン、盗塁など"スモールベースボール"を絡めていく。でも、アメリカでは盗塁はそれほど多くない。たとえば、二死二塁からスティールを仕掛けることはあまりない。日本ではそういう作戦をけっこう目にするよね。リスクを背負って得点を狙いにいこうとする。投手はアウトに打ちとり、打者は打ち返すという競技の性質は同じだけど、日本では得点を奪うのが難しくなるから、(盗塁は)それだけ重要性が増す。そういう違いがあると感じる」

【日米投手とストライクゾーンの違い】

 今年は吉田正尚(レッドソックス)と千賀滉大(メッツ)、藤浪晋太郎(アスレチックス)が海の向こうで挑戦を始めたが、メジャーではさまざまな違いに対応しなければならない。ボールやグラウンドの質、初見の対戦相手、気候、時差、移動距離、言葉の壁などだ。

 NPBに"助っ人"として加わる新外国人選手にも同じことが言える。彼らは開幕当初から活躍を求められるなか、新天地で適応するべく試行錯誤を繰り返している。

 日米の違いとして、ストライクゾーンが挙げられる。3月のWBCでは、普段と異なる基準に戸惑う日本人打者がいた。アメリカから来たマキノンはどう感じているのか。

「(アメリカと比べて)左右に広いように感じる。でも、高低は狭い。外角や内角に外れたと思ったボールが、いくつかストライクと言われたことがあった。アメリカではそれらをストライクと判定しないと思うけど、日本ではそうコールされる。でも、逆もあるからね。高めに外れてボールとなった球で、アメリカではストライクと言われるものもある。ギブ・アンド・テイクだ」

 打率3割を残せば上出来のバッティングが難しいのは、投手のアクションに反応しなければならないからだ。3月のWBCでも明らかになったように、日本の投手は世界基準でも高レベルにある。マキノンが印象を語る。

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