侍ジャパン戦士のWBCの影響は? 好調、不調、離脱......優勝から1カ月後の現状 (3ページ目)

  • 紙井昇●文 text by Kamii Noboru
  • photo by Kyodo News

 最後にメジャー組の現在の成績を見ていこう。

 大会で3試合に登板し、6イニングを投げて防御率6.00と本領は発揮できなかったが、自身の経験、知識を惜しげもなく若手選手に伝えるなど多方面で世界一に貢献したダルビッシュ有(パドレス)。日本時間4月17日のブルワーズ戦に先発し、7回4安打1失点、12奪三振2四球の好投を見せた。味方の援護なく2敗目を喫したものの、復調ぶりは示している。

 今シーズンからレッドソックスに移籍し、メジャーに挑戦する吉田正尚は、日本時間4月4日のパイレーツ戦でメジャー初本塁打を記録。オリックス時代の代名詞でもあった"ダンベルパフォーマンス"も披露したが、日本時間11日のレイズ戦での安打を最後に、19日のツインズ戦終了まで20打数無安打と苦戦している。WBCで打率.409、チーム最多タイの2本塁打を記録した打棒の復活が待ち遠しい。

 日本に"ペッパーミル・パフォーマンス"を浸透させたラーズ・ヌートバー(カージナルス)は、5試合で打率.231、1本塁打、3打点。高い出塁率(.565)をキープしている。激増した日本の野球ファンに引き続き雄姿を見せてほしい。

 大会MVPを獲得した大谷翔平(エンゼルス)は、投手として4試合に先発し2勝、防御率0.86。打者としては17試合に出場し、打率.281、4本塁打を記録している。

 ヤンキー・スタジアム100周年記念日というメモリアルゲームとなった、日本時間4月19日のヤンキース戦では、「2番・DH」でスタメン出場し、7試合ぶりの本塁打となる先制2ランを放った。

 他にも、得点につながる今季初の盗塁も決めるなど躍動して勝利。日本のニュースでは、大谷の活躍を伝えたあとに「なおエンゼルスは......」と敗戦をつけ加えるケースが多く、「なおエ」という言葉も広く浸透しているが、チームとしてはそれを打破したいところだ。

 まだシーズンは序盤も序盤。侍戦士たちの、これからの活躍に期待したい。

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