なぜ石川雅規、和田毅は40歳を過ぎても活躍できるのか 元チームメイト五十嵐亮太は「彼らは今も目がキラキラしている」 (2ページ目)

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

【常にアップデートを続けるヤクルト・石川雅規】

――まずは石川投手について伺います。五十嵐さんはプロ入り当時の石川さんの姿を見ていますね。その後、五十嵐さんがメジャー経験を経て、ヤクルトに復帰してからも石川投手とチームメイトとなりました。五十嵐さんの渡米前と渡米後とで、石川投手に何か変化はありましたか?

五十嵐 彼なんて、もう変化しかないですよ。3日前と今日とで、違うことを言うような男ですから(笑)。いや、「違うこと」というか、石川の場合は「もっといいことはないか」みたいな感じですね。

 なんて言うのかな......、彼の場合はアップデートが早いんです。シーズンを通しての対応もそうだし、その日その日、一瞬一瞬の対応力がめちゃくちゃ高いと思います。練習の段階で自分の体調を見極めて、「よし、じゃあ今日はこうしよう」と、その日のいい自分を探すのが上手なんです。

――「自分はこうあらねばならない」という思い込みに縛られない柔軟性もあるし、そのための引き出しも多いというのは、やはりベテランならではですね。

五十嵐 そうですね、石川にはいい意味での柔軟性があります。若い選手の場合は、軸が定まっていないのに、いろいろと新しいことにトライして失敗しがちです。でも石川の柔軟性は、もともとの性格もあるし、プロでやっていくうちにスタイルが確立されてきたのだと思います。いまだに周囲にいろいろ相談したり、アドバイスを求めたりしていますから。

――ヤクルトのチームメイトに話を聞いても、「石川さんの好奇心、探究心はすごい」という声は多く聞かれますね。

五十嵐 好奇心は旺盛ですね。常に「可能性は自分の中にある」と思っているんでしょう。そして、「自分が完璧ではない」ということもよく理解しているから、「じゃあ今よりもよくなるためにはどうすればいいか?」「どこかにヒントはないか?」という気持ちがある。

 いつも新しいものに興味を持ち、トライしてみる。でも、残すものは残す。そのバランスの取り方も上手ですね。どちらかに偏ってしまうと、自分を見失ってしまうこともあると思います。情報社会で情報がたくさん流れていますから、特に若い選手はそれに惑わされることが多いんです。でも、石川も和田も、それには当てはまらないですね。

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