オリックス・山下舜平大は「千賀滉大、山本由伸、佐々木朗希を追いかける存在になる」西武の主軸打者たちが絶賛 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Koike Yoshihiro

「1打席目も押されているし、差されているから、おかしいなと思っていました。やっぱり球が重いんですよ。力があるんですよ。これから対戦する機会が増えるから、ちょっと対策を考えなあかんなと思います」

 プロ22年目、2000本安打を達成した栗山にこう言わしめるほどのストレートを山下は投げ込んでいたのだ。

【フォークが決まればさらに厄介】

 しかもこの日は、フォークが決め球にならなかった。バッターのかなり手前でワンバウンドして見送られるシーンが続き、4回頃からカーブの割合を増やしていく。こうした決断をできるオリックスバッテリーも見事だったが、西武打線にすれば「フォークを消す」ことができた。そうして山下との3度の対戦で2安打、1四球と最も結果を残したのが3番・外崎だった。

「2打席目の最初にカーブを見られた分、しっかりイメージに入れられました。真っすぐとカーブは球速差があるから、真っすぐにタイミングを合わせておけば、カーブは気持ちで食らいつくぐらいの意識でいい。それで真っすぐにしっかり入れたのが一番よかったですね」

 4回の先頭打者での第2打席では、124キロのカーブが3球続いて1ボール、2ストライク。4球目のフォークを見送り、5球目は真ん中低めに投じられた156キロのストレートをセンター前に弾き返した。これが栗山のタイムリー二塁打につながり、外崎は先制のホームを踏んだ。

 そして6回一死、外崎は3度目の対戦では持ち前の粘りを見せ、フルカウントから14球目に真ん中内寄りに投じられた157キロのストレートに詰まらされながらもセンター前に弾き返し、山下をマウンドから引きずり下ろしている。

 この14球の内訳は、ストレートが5球、カーブが7球、フォークが2球。7球目までにカーブが5球という配球だったが、フォークが思うように操れないからカーブに頼らざるを得なくなったという側面もあるだろう。事実、外崎はフォークを「消しました」と振り返っている。

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