【石毛宏典のパ・リーグ順位予想】西武は昨年10敗の左腕に期待 オリックス移籍の森友哉は「捕手として成長できるチャンス」 (2ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

【2位予想:オリックス】

――2位予想のオリックスは吉田選手、伏見寅威選手が抜けた一方、森選手の加入などがありましたが、どう見ていますか?

石毛 吉田は類い稀な技術を持った特別な選手ですし、打線が少し"細く"なるのは仕方がありません。杉本裕太郎はちょっと安定感に欠けますが、杉本や森が打線を引っ張っていかなければいけない。中嶋聡監督がキャッチャー出身なので、森はキャッチャーとしても成長できるチャンスだと思います。打つほうも守るほうも大変だと思いますが、「自分がチームを引っ張るんだ」という気概を持って頑張ってほしいです。

――ピッチャー陣はいかがでしょうか?

石毛 若い中継ぎのピッチャーたちが、昨年の経験を経て自信を持ったはずです。若いだけに、今年どうなるかがわからない部分もあると思いますが、ほとんどのピッチャーが150km台中盤の球をどんどん投げている。山崎颯一郎も、長身(190cm)から投げ下ろす速球が魅力ですし、宇田川優希はすごいフォークを投げますよね。

 今永昇太(DeNA)や平良海馬(西武)などもそうですが、意識して高めの直球を投げて空振りを取っています。山崎や宇田川も球威があるので、そういった攻め方ができますし、相手にとっては脅威です。

【3位予想:西武】

――松井稼頭央新監督で臨む西武は3位と予想。先発ピッチャー陣の層は厚みが出てきましたが、WBCで右手小指を骨折した源田壮亮選手を欠いてのスタートとなります。

石毛 先発ピッチャー陣は、昨年ふた桁勝利を挙げた髙橋光成、與座海人、(ディートリック・)エンスをはじめ、松本航や今井達也など、ある程度計算できるピッチャーが少しずつ増えてきました。そこに平良海馬も加わりますね。オープン戦ではいい成績を残しましたが、シーズンでも同様のピッチングを期待しています。

――昨シーズンは1勝10敗と苦しみましたが、石毛さんは以前より隅田知一郎投手を評価していますね。

石毛 投げている球は悪くないんです。バッターを打ち取る術みたいなものも感じますし、コンビネーションを変えたりだとか、きっかけを掴めば試合を作れて、勝ち星がついてくるピッチャーだと思っています。彼が10勝近く勝てると、チームもいい位置にいけるんじゃないでしょうか。先発ローテーションに左腕の枚数を増やしたいところなので、期待も大きくなりますね。

――森選手が抜けたキャッチャー陣はどう見ていますか?

石毛 柘植世那、古賀悠斗、岡田雅利を競争させてレギュラーを決めるのか、併用していくのか......。いくつか考え方はあると思いますが、強いチームはある程度キャッチャーが固定されています。それが正解だとは一概には言えないですけど、固定したほうが試合運びを落ち着かせられると思います。

――打線はいかがですか?

石毛 外崎修汰に頑張ってもらいたいですが、ここ数年は打率が.250にも届いていない。ベテランの中村剛也も栗山巧も峠は越えていますが、彼らの経験と技術に頼らざるをえない場面は多くなるでしょうね。新外国人の(デビッド・)マキノンや(マーク・)ペイトン次第とも言えるかもしれませんが。いずれにせよ、「山川穂高だけが頼り」という状況は避けたいところです。

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