辻発彦が選出する「守備の名手ベストナイン」 源田壮亮は何がすごいのか、二塁手の極意についても語った (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Getty Images

── 二遊間コンビを組んだのは石毛宏典さん、田辺徳雄さんでした。

 二遊間というのは、ゲッツーという流れのなかで相手に合わせられる選手にならないといけません。打球によっていろいろ条件があって、ベースに入るのが遅れることもある。そうなるとテンポを置いて投げないといけないし、相手が送球しやすいところに投げないといけない。とにかく二遊間はいろんな要素が必要とされます。

 社会人時代、西武とよく練習試合をしました。その時、日本通運の監督によく言われました。「おまえと石毛がコンビを組んだら、日本一の二遊間になる。とにかく石毛の動きを見ておけ」と。石毛さんのスローイングの正確さは抜群でしたね。

【源田壮亮の守備力の高さ】

── 辻さんが西武の監督に就任した2017年、源田壮亮選手がドラフト3位で入団しました。監督時代を振り返った時に「源田選手の存在が大きかった」という話をされていました。それまで5年連続ゴールデングラブ賞の今宮健太選手(ソフトバンク)を押しのけ、源田選手が2018年から5年連続で受賞しています。源田選手のうまさはどこにあるのでしょうか。

 源田がすごいのは、捕った瞬間に送球できることです。先述したように、送球する形でボールを捕りにいける。一方、ゆっくりしても大丈夫なプレーも当然あります。つまり、源田は打球に応じた的確なプレーができるのです。それに伴うボディバランスもすばらしい。

── 外崎修汰選手も、辻さんの監督時代に二塁手で2度ゴールデングラブ賞に輝いています。

 浅村(栄斗)が楽天に移籍したあと、外崎だったらいけるなということで二塁に固定しました。パ・リーグの二塁手は、ほかにも安達了一選手(オリックス)がうまいですし、中村奨吾選手(ロッテ)も堅実です。ただ、ひと際うまい選手となると......なかなか名前が挙がってこないですね。

── では最後に、辻さんが選ぶ「守備の名手ベストナイン」をお願いします。

 難しいですね......私が見てきた選手となると、こうなります。

投手 涌井秀章(中日)
捕手 古田敦也(ヤクルト)
一塁 中田翔(巨人)
二塁 菊池涼介(広島)
三塁 中村紀洋(中日ほか)
遊撃 源田壮亮(西武)
外野 秋山幸二(西武ほか)
外野 イチロー(オリックスほか)
外野 辰己涼介(楽天)

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