【谷繁元信のセ・リーグ順位予想】3連覇のかかるヤクルトは「投手陣が少し不安」ポジション固定の阪神が1位、中日が「不気味」 (2ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by 産経新聞社

【3位予想:巨人】

 主力に実績のあるベテランが一定数いて、彼らがケガなく1年間出場できると上の順位にきそうなチームです。

 投手陣では、エースを張ってきた菅野智之が33歳になりました。全盛期のように絶対的な力ではないかもしれませんが、試合をつくる能力は相変わらず高いものがあります。3月18日のオープン戦では右肘の張りで1回降板となりましたが、技術やメンタルは高いものを備えているので、体の状態をいかに整えてくるかだけがポイントです。

 34歳の坂本勇人にも同じことが言えます。昨年はケガもあって83試合の出場にとどまりましたが、いかに試合に出られるコンディションに整えていけるか。ベテランと言われる年齢になると、最大の焦点になるのがコンディショニングです。年齢を重ねたと言っても34歳なので、まだまだやってくれると期待しています。

 巨人で3シーズン目を迎える中田翔は、昨年終盤に打ち方をコンパクトにしてヒットを重ねるなど、以前にはなかったような意識が芽生えてきています。そうした打撃に走りすぎると「長打力」という中田の魅力が少しなくなる部分もあるかもしれませんが、自分のなかで成果を求めてやっていることなので、それがいい方向に出ればいいと思います。

 巨人は外国人の活躍もチームに大きな影響を与えてきそうです。投手陣では、左のフォスター・グリフィンと右のタイラー・ビーディは先発ローテーションでまわっていく力があるように感じます。野手のルイス・ブリンソンもオープン戦からキレのあるプレーを見せています。日本人では新人野手の門脇誠と萩尾匡也、投手陣では高卒5年目の横川凱あたりが戦力になると、チーム内の競争が活発化してくると思います。

【4位予想:DeNA】

 昨季2位に入りましたが、トータルで見ると戦力的に上積みがそれほど感じられないので4位予想としました。サイ・ヤング賞投手のトレバー・バウアーの獲得は大きいですが、野手ではトレードで京田陽太、新外国人のトレイ・アンバギーが加わったものの、打線は昨季からほとんど変わらないメンバーになりそうです。リハビリ中のタイラー・オースティンが開幕に間に合いそうにないのも痛いですね。ショートでは2019年ドラフト1位の森敬斗も期待されますが、彼がレギュラーになったとしても、打線全体にどれくらいの影響を及ぼすかは未知数です。

 投手陣では、エースの今永昇太はWBCを見ていると状態がよさそうです。ただし、昨年11勝を挙げた大貫晋一が右肩の負傷で開幕には間に合いません。石田健大、東克樹の両左腕、右では上茶谷大河、そして2021年にトミー・ジョン手術を受けた平良拳太郎もいますが、欲を言えば、安定感のある投手がもう1、2枚ほしいところです。

 また、昨年のチームでメイン捕手だった嶺井博希が抜けた穴をどう埋めるのか。ドラフト1位で高卒の松尾汐恩を獲得しましたが、一軍でどれだけ出られるかは未知数です。戸柱恭孝、伊藤光、山本祐大がどれだけカバーできるかもポイントになってきそうです。

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