43歳ヤクルト石川雅規の目標は「山本昌さん超えの220勝」 体は小さくても「プロでもやれるんだぞって示せているかな」 (3ページ目)

  • 和田悟志●取材・文 text by Wada Satoshi
  • photo by Wada Satoshi

●山本昌超えの220勝が目標

ーー現在183勝。200勝まではあと17勝となりました。

 200勝は自分の中で大きなモチベーションになっています。でも、200勝を目標にしちゃうと、たぶん190何勝とかで終えてしまうと思うんです。220勝、230勝勝つぞ!という気持ちがないと、200勝には届かない。

 マサさん(山本昌)が219勝なので、僕は220勝を目指しています。そもそも、200勝でいいってことはないので、まだまだ勝てると信じていますし、まだまだ勝ちたいですから、自分自身に期待したいです。

ーー新シーズンは、どのような目標設定をされていますか?

 もちろんチームあっての自分ですし、リーグ2連覇している中で3連覇にチャレンジできるのは、セリーグではヤクルトしかないので、3連覇の力になりたいです。

 日本一ももう一回取り返したい。それには日本シリーズに出なきゃなりませんから。

 個人的にはやっぱりもう一度2桁勝ちたい。2桁勝つことができれば、またその先も見えてくると思いますから。5勝でいいやと言っているようでは、1、2勝で終わってしまう。だから、選手である以上は、キャリアハイを目指しますよ。

 自分で気持ちは若いって言っていながら、こういう時だけ年齢を出すのもなんですけど、しんどい時は、もう40過ぎだからって言いたいですし、あの年であんなに頑張ってるって言われたいです(笑)。でも、前向きにプレーしたいですね。

 年齢を重ねて、同世代の方々の応援がいっそう大きく聞こえてきます。本当にありがたいことです。

 しんどい時期はいつだったか、ってよく聞かれるんですけど、いつが最後の年になるかはわからないですし、野球選手としてやれている以上は、しんどいよりも、幸せのほうが大きいです。

 打たれたとしてもプロ野球選手として投げられるんだったら、しんどいって思うよりも、今度はどうやって抑えるかを考えたほうがいい。だから、ユニフォームを着ていることに感謝したいです。

終わり

前編<ヤクルト石川雅規「勝てない自分が恥ずかしいと思った30代半ば」を乗り越えて 43歳の今「まだまだ野球がうまくなりたい」>

【プロフィール】
石川雅規 いしかわ・まさのり 
1980年、秋田県生まれ。秋田商高、青山学院大を経て2002年自由獲得枠で東京ヤクルトスワローズに入団。1年目に12勝を挙げて新人賞を獲得すると、そこから5年連続2桁勝利を達成。2008年、最優秀防御率(2.68)をマークし、ゴールデングラブ賞も手にした。2022年には史上3人目の新人から21年連続勝利を記録。2022年までに2桁勝利11回、通算183勝。167センチの小柄な体格から「小さな大投手」と呼ばれる。

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