ヌートバーと大谷翔平に攝津正氏が感じた「トップメジャーリーガーのすごさ」 2試合無安打の村上宗隆には「4番は変えるべきではない」 (3ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • photo by Kyodo News

 逆に、2回までは完璧に抑えました。日本が立ち上がりにバタバタしなかったのは、ダルビッシュ投手が1、2回をしっかり抑えたことが大きかったと思います。もしそこで1点でもとられていたら、一気に韓国に流れがいっていた可能性もあります。立ち上がりという非常に難しい部分を抑えられたのは、さすがダルビッシュ投手だなと思いました。

 2月の宮崎合宿から日本代表に合流し、メジャーリーグの規定で実戦登板なしのままWBC本番を迎えた影響は少なからずあったと想像しますが、内容的には十分なピッチングでした。次の試合ではもっと状態を上げてくるはずです。

 ダルビッシュ投手のあとを受けて4回からマウンドに上がった今永投手は、3回1失点。試合が動いた直後の非常に難しい局面でしたが、日本に確実に勢いを引き寄せるピッチングでした。

 とくに4、5回をしっかり無失点に抑えたことで、日本サイドは「いける」という雰囲気になりました。それくらい今永投手が投げているボールの質はよく、今後も第2先発での起用になるでしょうが、どこの国が相手でも通用するだろうなという内容でした。

 日本はこれで2連勝。準々決勝進出に向けて非常にいいスタートをきりました。中国戦では攻撃が思ったように機能しなかったけれど、韓国戦ではいい野球をできました。国際大会ならではの硬さはすでにとれていると思うので、3戦目以降はもっといい状態で臨んでいけると思います。

プロフィール

  • 中島大輔

    中島大輔 (なかじま・だいすけ)

    2005年から英国で4年間、当時セルティックの中村俊輔を密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『山本由伸 常識を変える投球術』。『中南米野球はなぜ強いのか』で第28回ミズノスポーツライター賞の優秀賞。内海哲也『プライド 史上4人目、連続最多勝左腕のマウンド人生』では構成を担当。

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