杉谷拳士が考えるWBCの理想オーダー「近藤健介の起用法がカギ」「特Aクラスの髙橋宏斗は先発候補」 (2ページ目)

  • 石塚 隆●取材・文 text by Ishizuka Takashi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

──クローザーは誰になりますか。

杉谷 国際大会は空振りがとれるボールがほしいので、湯浅京己選手、大勢投手、栗林良吏選手、宇田川優希選手あたりが考えられますが、経験から言うとやはり松井裕樹選手になるのかなと思います。ただ、いい選手が多いのでコンディションを見て日替わりクローザーになる可能性もある。ダルビッシュ選手をうしろにまわして、という意見もありますが、たぶん栗山監督はそれはしないと思います。

──そしてオーストラリア戦から中3日でグループ1位と2位で争う準々決勝。アメリカ行きをかけた大事な試合です。

杉谷 ここはもうダルビッシュ選手と大谷選手の二枚をぶつけて、中継ぎ陣を総動員だと考えました。ここで勝ってアメリカに行かなければ敗退ですから。大一番はやっぱり経験も豊富で頼りになるピッチャーに投げてもらいたい。そして準決勝と決勝は、佐々木選手と山本選手が投げると思います。

──どうなるか楽しみですね。侍JAPANの宮崎合宿を見ていると、投手陣はダルビッシュ選手を中心にまとまっているように感じます。

杉谷 そこも栗山監督の狙いだったと思います。ダルビッシュ選手を見て、若い投手たちはどう感じるのか。何を学ぶのか。選考を見ても日本の未来を考えてのものだと思うので、そこはやっぱり栗山監督らしいなって。こういった栗山監督の想いがあったからこそ、大谷選手しかりメジャーの選手たちがWBCに参加を決めたところもあると思うんですよね。栗山監督も今回は「勝たなきゃではなく、勝つんだ」と、ものすごく気合が入っていますし、世界一を獲ると信じています。

──長年おつき合いのある栗山監督は、果たしてどんな采配をするでしょうか。

杉谷 状況によって途中から出てくる選手もキーポイントになってきますし、いや逆にどんな野球をするのか僕が聞きたいぐらいですよ(笑)。ただ思うのは、今回の侍JAPANは"史上最強"と言われていますけど、やっぱり他に選びたい選手は栗山監督的にはいたと思うんです。だから僕から見れば"史上最強"というよりも、現時点で栗山監督がやりたい野球をするために選んだメンバーだと思うんです。はたしてこれだけの選手たちをどう采配するのか、そこに僕は注目しています。とにかく選手を想う力は誰よりもある指導者ですし、きっと選手たちも「栗山監督を胴上げしたい」と思ってプレーしてくれるはずです。

──コロナもひと段落した感じがあるなか、WBCで野球を盛り上げて、シーズンに突入してもらいたいですね。

杉谷 そうですね。昨年はサッカーのW杯が盛り上がりましたし、WBCによって野球もそれ以上に盛り上がってほしい。ひいては、野球やサッカーにとどまらず、これをきっかけに日本のスポーツ全体が盛り上がってほしいと思っているので、選手たちには子どもたちに夢を与えられるようなプレーや活躍を期待しています。頑張れ、侍JAPAN!

杉谷拳士(すぎや・けんし)
1991年2月4日生まれ。東京都出身。右投両打。身長173cm、体重78kg。帝京高校時代は春夏通算で3度、甲子園に出場。2008年、ドラフト6位で北海道日本ハムファイターズに入団。2010年に、イースタン・リーグで年間133安打を放ち、同リーグのシーズン安打記録を樹立(当時)。2019年には、NPB史上19人目となる1試合での両打席本塁打を記録。ユーティリティプレーヤー、またムードメーカーとして存在感を発揮した。西武ドームでの"イジリアナウンス"、「リアル野球BAN」の出演も話題に。2022年、「前進会見」を行ない、14年間にわたるプロ野球選手生活に別れを告げた。現在はテレビ番組の出演やプロ野球の取材・レポートで活躍中。

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プロフィール

  • 石塚 隆

    石塚 隆 (いしづか・たかし)

    フリーランスライター。1972年生まれ。神奈川県川崎市出身、現在は鎌倉在住。『Sportiva』をはじめ『Number』『週刊ベースボール』『集英社オンライン』『週刊プレイボーイ』など、スポーツを中心に、政治、経済、サブカルチャーなど多岐にわたるジャンルで寄稿している。趣味はサーフィン、トレイルランニング

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