杉谷拳士が考えるWBCの理想オーダー「近藤健介の起用法がカギ」「特Aクラスの髙橋宏斗は先発候補」

2022年、プロ野球選手としてのキャリアを終えた杉谷拳士氏。その後は持ち前の明るいキャラクターを生かして、プロ野球チームのキャンプ取材のレポートやバラエティー番組などで活躍している。そんな杉谷氏も注目している、今年３月開幕のワールド・ベースボール・クラシック（WBC）。杉谷氏が考える理想のオーダーを聞いてみた。

杉谷拳士氏インタビュー
後編
前編はこちら＞＞「こんな気持ちではファンにも失礼だ」杉谷拳士がエスコンフィールドで気づいた「中途半端な自分」

杉谷拳士氏の考える、WBCベストオーダーとは？
──さて、野球ファン注目のWBCの開催が迫ってきています。それに先立って杉谷さんには侍JAPANのオーダーと展望を予想してもらいたいのですが、まず打撃陣についていかがでしょうか。

杉谷拳士（以下、杉谷）　果たして栗山英樹監督がどういった野球を目指しているのか。とても難しかったのですが、僕なりに考えてみました。

～杉谷拳士が予想する侍JAPANオーダー～


１．ラーズ・ヌートバー（センター）

２．近藤健介（ファースト）

３．大谷翔平（DH）

４．村上宗隆（サード）

５．鈴木誠也（ライト）

６．吉田正尚（レフト）

７．牧秀悟（セカンド）

８．甲斐拓也（キャッチャー）

９．源田壮亮（ショート）

※鈴木誠也選手が辞退を発表する前の2023年１月30日に取材

──強力なオーダーですね。まずリードオフマンはメジャーリーガーのヌートバー選手。

杉谷　ヌートバー選手は早く見てみたいです。出塁率も高いですし、足も使え、パンチ力もある。カージナルスのトッププロスペクトでしたし、貴重な選手だなって思うんです。

──しかし昨シーズン、打率.228という成績で懸念する声も聞こえますね。

杉谷　そういう意見があるのは知っていますが、ヌートバー選手は昨シーズン前半打てなかっただけで、後半は本塁打を10本打っています。シーズン108試合に出場し、14本塁打、40打点は鈴木誠也選手と同じような成績。順当だと思います。

──なるほど。この打線で気になったのは2番に元同僚の近藤選手が入っていますね。

杉谷　ここなんですよ。クリーナップ以降はすんなり決められたんですが、迷ったのは近藤選手の打順です。1、2番はやはり出塁率を求められますし、大谷選手と村上選手の前には絶対にランナーを置きたい。その点、近藤選手の選球眼とバットコントロールは球界屈指ですから、出塁が求められる２番に近藤選手が適任だと思いました。

──日本ハム時代に栗山監督は近藤選手の能力を熟知しているはずですからね。

杉谷　はい。僕は2番だと読んでいますが、近藤選手の起用法には栗山監督ならではのメッセージが込められるんじゃないかと思っています。先行発表でも名を連ねていましたし、栗山監督は近藤選手のすべてを知っているので、僕としてはここがWBCを戦ううえでカギになってくると思います。もしレッドソックスがOKならば吉田選手と守備位置を入れ替えてもいいですし、そこはどうなるか注目ですね。あとはもう言うことのない順当な打線だと思います。

──では投手陣ですが、一次ラウンド開幕戦となる3月9日の中国戦の先発投手は？

杉谷　やっぱり日本のスタートですし、ここは経験豊富なダルビッシュ有選手だと思います。初戦でしっかり勝って勢いをつける。そして翌日の韓国戦の先発は大谷選手。2015年のプレミア12で韓国相手に圧巻のピッチングをしていますし、力でねじ伏せてもらいたいですね。

── 一次ラウンドの韓国戦は重要なポイントになる試合ですね。

杉谷　ええ。大谷選手ならばきっとやってくれると思います。今や宇宙一の選手ですし、僕なんかが「翔平」と呼べる選手ではなくなってしまいました。「大谷さん」と呼ばないと(笑)。実力や才能はもちろん野球に取り組む姿勢も見てきましたし、人間的にも素敵な男なので、きっと日本のために頑張ってくれると思いますよ。

──そしてチェコ戦、オーストラリア戦と連戦となります。

杉谷　チェコ戦は佐々木朗希選手、オーストラリア戦は山本由伸選手。NPBを代表するふたりに期待したいです。"日本の夢"である彼らが活躍すれば、かなり盛り上がると思うんです。特に山本選手は、全球種でカウントがとれますし、フィニッシュにもできる。本当にすごいというか、投げる球すべてが超一流なので、国際試合でどれだけ存在感を示してくれるか、とにかく楽しみです。もうひとり、先発候補として挙げたいのが中日の髙橋宏斗選手。彼は今年のセ・リーグのタイトルを総なめにするような特Aクラスのピッチャーだと思っていますし、どこまで通用するのか単純に見てみたいです。