千賀滉大の穴は「十分に埋められる」 ソフトバンクOBの攝津正が注目する投手と「怖かった」斉藤和巳コーチへの期待 (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――今シーズンからコーチを務める、斉藤和巳さんへの期待は?

摂津 ホークスはドラフト上位の投手、特に右ピッチャーが出てきていないんです。ドラフト1位(2016年)で期待していた田中正義投手は、近藤健介投手の人的補償で日本ハムに移籍しましたし、松本裕樹投手(2014年1位)はある程度は活躍していますが、武田翔太投手(2011年同1位)や高橋純平投手(2015年同1位)、風間球打投手(2021年同1位)らがくすぶっています。

本来なら柱にならなきゃいけない投手たちがくすぶっているので、右の大エースだった和巳さんには、そこを引き上げてほしい。和巳さん自身も苦労してエースになっているので、技術的なことはもちろん、メンタル面も教えていただけたら大きいのかなと思います。

――攝津さんから見た斉藤投手コーチの印象は?

攝津 和巳さんが現役の時は怖かったですよ......ピリついていました。でも、今はそんなことはないですし、若くて投手との年齢も近いので、うまくコミュニケーションを取れれば、投手たちは非常にやりやすいんじゃないかなと思います。

――斉藤投手コーチの現役時代は、最後までマウンドに仁王立ちして投げきる姿が印象的でした。今は分業制が顕著ですが、投手にもそういったマインドは注入していく?

攝津 そうだと思います。ただ、コーチがそこを投手に求めるというより、投手自身が求めないといけません。「6回、7回まで投げられればいいや」と思って取り組むのと、「完投するんだ」と思って取り組むのでは成果はまったく変わると思います。いずれは和巳さんのようなピッチャーを育ててほしいですし、シーズンを通じてどんな手腕を発揮してくれるのか期待しています。

(野手編:194cmのギータ2世は「ちょっと厳しい」ソフトバンク課題の長打力不足を補うのは誰か>>)

【プロフィール】
攝津正(せっつ・ただし)

1982年6月1日、秋田県秋田市出身。秋田経法大付高(現ノースアジア大明桜高)3年時に春のセンバツに出場。卒業後、社会人のJR東日本東北では7度(補強選手含む)の都市対抗野球大会に出場した。2008年にソフトバンクからドラフト5位指名を受け入団。抜群の制球力を武器に先発・中継ぎとして活躍し、沢村賞をはじめ、多数のタイトルを受賞した。2018年に現役引退後、解説者や子どもたちへ野球教室をするなどして活動。通算282試合に登板し、79勝49敗1セーブ73ホールド、防御率2.98。

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