篠塚和典が選ぶ侍ジャパンの二塁手は山田哲人か牧秀悟か ダルビッシュ有には「いい雰囲気作りの能力がある」 (3ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • Photo by Sankei Visual

――篠塚さんは第2回大会で世界一を経験されていますが、勝ち抜いていく上でどんなことを意識していましたか?

篠塚 個々の選手に、いい状態をキープしてもらうことですね。代表に呼ばれる選手たちは、野球を知っている選手ばかりなので、状態さえよければそんなに心配はいりません。

 しっかりした技術があって、成績も残してきている選手たちなので、代表に来て急にバッティングが変わってしまうということはないでしょうし。中には、状態が多少悪くなっている選手もいますけどね。でも、自分で「状態が悪い時はこうしていくんだ」っていうのもわかっている選手たちなので、コーチが手助けしたり何かを言ったりすることは少ないと思うんです。

 状態の悪さを自覚している選手は、居残って特打で汗を流したりしていましたが、そういう部分でコーチは手助けしていくくらいです。あとはみんなとコミュニケーションをとって、気持ちよく試合に送り出すのがコーチの仕事ですから。

――いい状態をいかにキープしてもらえるかが大事で、コーチはそれをサポートする?

篠塚 そうですね。状態が落ちているのであれば徐々に上げてもらう。状態がよければ、それを維持してもらう、という感じです。バッティングには波というものが必ずありますし、特にこういう短期決戦では、個々の状態を安定させることが一番大事なことでしょうね。

――第2回大会ではイチローさん(マリナーズ会長付き特別補佐兼インストラクター)がチームリーダーでしたが、そういった存在は必要だと思いますか?

篠塚 WBCではメジャーリーガーたちとの戦いになってくるので、普段からメジャーで戦っている選手たちの存在は大きいですよね。今回は年齢的にも、経験や実績の面からも、ダルビッシュが引っ張っていってくれるんじゃないかと期待しています。第2回大会の時もグラウンドに目を向けると、みんなと会話をしていましたし、雰囲気作りの能力じゃないですけど、そういう部分でもいいものを持っていると思います。

(後編:「イチローを外したらチームがガタガタになっていた」打撃コーチだった篠塚和典が証言する2009年WBC秘話>>)

【プロフィール】
篠塚和典(しのづか・かずのり)

1957年7月16日、東京都豊島区生まれ、千葉県銚子市育ち。1975年のドラフト1位で巨人に入団し、3番打者などさまざまな打順で活躍。1984年、87年に首位打者を獲得するなど、主力選手としてチームの6度のリーグ優勝、3度の日本一に貢献した。1994年に現役を引退して以降は、巨人で1995年~2003年、2006年~2010年と一軍打撃コーチ、一軍守備・走塁コーチ、総合コーチを歴任。2009年WBCでは打撃コーチとして、日本代表の2連覇に貢献した。

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プロフィール

  • 浜田哲男

    浜田哲男 (はまだ・てつお)

    千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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