ヤクルト高橋奎二が見据えるWBCのその先「代表に選ばれた以上、今シーズンは結果を残さないと本当にダサい」 (2ページ目)

  • 島村誠也●文・写真 text & photo by Shimamura Seiya

── 高校時代(龍谷大平安)は代表候補入りし、パスポートもつくりましたが選出されませんでした。

高橋 野球をやっている以上はジャパンのユニフォームを着てみたいと思っていたので、あの時は悔しかったですね。

── プロ2年目の2017年に第4回WBCが開催されました。当時、世界との距離はどれくらいあったと思いますか。

高橋 プロ野球選手としてそこを目指さないといけないのですが、僕にはほど遠いものでした。そのあともWBCを意識したことはなかったですし、それこそ昨年11月の強化試合の時は「選ばれたんだ」みたいな感じです。そのあとは(本大会のメンバーとして)内定者が次々と報道され、中村(悠平)さんや村上(宗隆)は正式に連絡が来たと言っていたので、自分は選ばれなかったのかなと思っていました。

── 大会が近づくにつれて、今の心境をお聞かせください。

高橋 正式に選ばれた時は「僕でいいのかな......」と、おまけみたいな受け止め方だったのですが、こうして取材も多くなり、本当に選ばれたんだなと実感しています。日が経つにつれ、「しっかりやらなければ」という自覚が芽生えていますし、日の丸を背負うので日本だけじゃなく世界でも注目されるので、いいチャンスやと思って結果を残したいです。

【転機は2年前の開幕二軍】

── プロ8年目で代表選手になりましたが、1年目、2年目はケガと向き合い、3年目にプロ初勝利を挙げるも、その後は苦しい時期が続きました。とくに2年前は、結果が出ずに開幕は二軍スタートとなりましたが、そこから持ち前の"ド根性"ではい上がりました。振り返れば転機となるシーズンだったのではないでしょうか。

高橋 あの年、開幕はファームでしたが、そこで気持ちが折れず、ケガもせずにしっかり投げられたことが大きかったです。キャンプで伊藤(智仁)コーチに教えていただいた「8の力で10を出せばいいんだよ」という言葉がすごく響いていて、それをファームで実現できたことが大きかったですね。

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