名コーチ・伊勢孝夫が考えるWBC侍ジャパンベストオーダー「4番は村上宗隆ではなく大谷翔平にした理由」 (3ページ目)

  • 木村公一●文 text by Kimura Koichi
  • photo by Taguchi Yukihito、Koike Yoshihiro

 まして使うとなると、ポジションは本職のライトではなく、センターが有力と聞く。言うまでもなく、外野の中心だ。合宿に参加できないようだし、連係プレーも十分にできないまま本番となると、やはり怖い。メジャーでレギュラーを張るような選手だから、能力は間違いないだろが、チームの考えをどこまで理解し実践できるのか、不安は募る。

 また山川は、本来ならスタメンで使いたいところだ。しかし初対戦の投手、さらにアメリカや中南米などの強豪国の投手を想定した時、タイミングを合わせて弾き返したり、どん詰まりでも野手の間を抜くといった打球がイメージしづらい。山川をスタメンから外せば、必然的に代打となるが、どこまで対応できるのか。

 山川を否定しているわけではないし、そもそもメジャーの投手に対して自分のスイングで捉えられる打者は、大谷、吉田、鈴木くらいだと感じている。そう考えると、簡単に得点は期待できないだろうし、僅差の戦いを強いられるだろう。そのあたりは栗山監督も想定内だと思うし、だからこそ一発のある選手を揃えたとも言えるが、打開策はあるのかちょっと心配だ。

プロフィール

  • 木村公一

    木村公一 (きむらこういち)

    獨協大学卒業後、フリーのスポーツライターに。以後、新聞、雑誌に野球企画を中心に寄稿する一方、漫画原作などもてがける。韓国、台湾などのプロ野球もフォローし、WBCなどの国際大会ではスポーツ専門チャンネルでコメンテーターも務める。

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