石毛宏典は西武の指揮官・辻発彦をどう見ていたか。「いいさじ加減」ができていたが、松井稼頭央新監督に課題も残した (4ページ目)

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Sankei Visual

――最近ではいろいろなポジションを守るユーティリティープレーヤーが増えてきました。それでポジションをあえて固定しない、ということもあるんでしょうか。

石毛 今の選手の能力だったら複数のポジションを守ることも可能なのかもしれませんが、どうしても綻びは生じますし、エラーも増えます。慣れているポジションで使えば、イージーミスは出なくなる。もちろんユーティリティープレーヤーはチームにいてくれると助かる存在ですけど、やはり軸となるプレーヤーのポジションぐらいは固定すべきだと私は思います。

 辻にも当然そういった考えはあったと思います。固定できなかったショートに源田を入れ、チームが安定し始めたことが顕著な例です。2018年、2019年に連覇した時は打順もポジションもある程度固定できていましたからね。先ほども言いましたが、そのほかの部分を松井新監督がどう埋めていくのか、注目したいです。

(連載6:デッドボールにも「なんで謝る必要があるんだ」ガキ大将な気質、激攻め投球が生まれた理由>>)

【プロフィール】
石毛宏典(いしげ・ひろみち)

1956年 9月22日生まれ、千葉県出身。駒澤大学、プリンスホテルを経て1980年ドラフト1位で西武に入団。黄金時代のチームリーダーとして活躍する。1994年にFA権を行使してダイエーに移籍。1996年限りで引退し、ダイエーの2軍監督、オリックスの監督を歴任する。2004年には独立リーグの四国アイランドリーグを創設。同リーグコミッショナーを経て、2008年より四国・九州アイランド リーグの「愛媛マンダリンパイレーツ」のシニア・チームアドバイザーを務めた。そのほか、指導者やプロ野球解説者など幅広く活躍している。

◆石毛宏典さん公式YouTubeチャンネル
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【著者プロフィール】
浜田哲男(はまだ・てつお)

千葉県出身。専修大学を卒業後、広告業界でのマーケティングプランナー・ライター業を経て独立。『ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)』の取材をはじめ、複数のスポーツ・エンタメ系メディアで企画・編集・執筆に携わる。『Sportiva(スポルティーバ)』で「野球人生を変えた名将の言動」を連載中。『カレーの世界史』(SBビジュアル新書)など幅広いジャンルでの編集協力も多数。

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