井端弘和が「両リーグNo. 1」と評した外野手は? セ・リーグのGグラブ賞9人を総括 (3ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

── 今年ブレイクした中日の岡林選手も初めての受賞となりました。

井端 肩の強さ、コントロールされた送球は、両リーグNo. 1だと思います。それに足も速く、守備範囲も広い。高橋宏斗が投げていた8月7日のDeNA戦で、1試合に2つバックホームで刺しました。あの肩を見せつけられると、今後はランナーも簡単に三塁を回れなくなってくるでしょう。ケガさえなければ、今後10年くらい受賞するほどの能力の持ち主ではないかと思っています。あとは、イージーフライを小手先で捕ろうとして弾くのを注意することです。

── 3人目は近本選手で、2度目の受賞です。

井端 外野手はイチローさんや新庄剛志さんのような強肩タイプと、飯田哲也さんや赤星憲広のように打球へのチャージが強いタイプの2つに分かれます。近本選手は後者で、打球に対するチャージ、捕球してからのスピードが評価されたのだと思います。

── 今回、選ばれなかったけど、気になる選手はいましたか。

井端 桑原将志(DeNA)選手の後逸を恐れずにタイビングキャッチを試みる全力プレーは印象深かったです。またこれまで9度受賞している大島洋平(中日)選手は、今年はセンターだけでなく、レフトを守るなどポジションが定まりませんでした。ふたりとも今シーズンの失策は0でした。もちろん、エラーの数だけでは測れない部分はありますが、受賞してもおかしくないだけの守備力はあると思います。

井端弘和(いばた・ひろかず)/1975年生まれ。堀越高から亜細亜大を経て、98年ドラフト5位で中日に入団。遊撃手として、二塁手の荒木雅博との「アライバコンビ」で中日黄金期を支えた。2013年WBCでは指名打者部門で大会ベストナインに選出された。14年に巨人に移籍し、15年限りで現役を引退。ベストナイン5回、ゴールデングラブ賞7回。22年1月に侍ジャパンU−12の代表監督に就任した

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