井端弘和が「両リーグNo. 1」と評した外野手は? セ・リーグのGグラブ賞9人を総括 (2ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

── セカンドは10年連続10度目の菊池選手です。

井端 菊池選手の守備に関しては、文句のつけようのないところです。ただ現在32歳と、かつては極端だったポジショニングも、次第にオーソドックスな守備位置で守るようになりました。今後、足が動かなくなってきた時、それをどう補っていくのかが課題になると思います。10年連続受賞は、裏を返せばほかの選手が壁を崩しにいかないとダメですね。今シーズンは山田哲人(ヤクルト)選手が奮闘しましたが、失策数だけでは測れないところもあります。巨人の吉川尚輝も失策数は11個とまだまだ荒削りな部分はありますが、能力的にいいものを持っているので頑張ってほしいです。

長岡秀樹の初受賞は当然の結果

── サードは、かつて井端さんが指導した岡本選手が2年連続で選ばれました。

井端 岡本は2度目の受賞となりましたが、昨年は「うまくなったな。賞を獲ったな!」という感じでした。ただ今年は「獲るだろうな」とは思いましたが、もっと鍛えないといけないという印象も受けました。個人的にはまだまだうまくなれると思っています。

── ショートは、高卒3年目の長岡選手が初めて獲得しました。

井端 ショートは長岡選手ですが、今年に限っては当然の結果です。春先に大事なところでエラーをして負けた試合があったのですが、ひるまずに守っていました。1試合1試合、一喜一憂することなく平常心で守り続けていました。まだ打球を一生懸命追いかけている段階ですが、今回の受賞が自信になって、守備はさらに上達すると思います。来年以降、打撃を含めたさらなる飛躍が楽しみです。

── 外野手は守備機会の多さ、補殺数がひとつの目安になると思いますが、選ばれた3人のそれぞれの印象をお願いします。優勝したヤクルトからは塩見選手が選ばれました。

井端 日本シリーズ第7戦のエラーがクローズアップされますが、シーズン中は好プレーが多く、打った瞬間は「抜けたかな」と思った打球を何度もキャッチするシーンを見ました。塩見選手はスタートがよく、足も速いからギリギリの打球に追いつける。守備範囲の広さは相当だと思います。

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