BCリーグで注目のドラフト候補5人。球速を約50キロ上げた19歳右腕、「野球を諦めて就活を」宣告から這い上がったスラッガーも (5ページ目)

  • HISATO●文・写真 text & photo by HISATO

この記事に関連する写真を見る◆小野寺賢人(埼玉武蔵ヒートベアーズ) 投手 右投/右打
24歳/175cm・84kg

 もうひとり、名前を挙げたい投手が小野寺賢人。星槎(せいさ)大学からクラブチームの「TRANSYS」を経て、2021年途中にBC埼玉武蔵に入団。当初は中継ぎだったが、今季は先発としてチームのエースになった。

 ストレートの最速は148キロ。平均球速はさほど速くないが、ストレートと変化球を駆使して常に危なげないピッチングを展開する。自信がある球は「カットボール」だという。昨季は途中入団ながら防御率0.90。今季は13試合に先発して防御率1.65とリーグトップに輝き、リーグのベストナインにも選ばれた。

 特筆すべきは抜群のコントロールで、四死球はシーズンを通してわずか7。無四球完投が2回ある。奪三振は73で、3.5以上が優秀とされるK/BBは14.6という驚異的な数字になっている。

 小野寺は「バランス型」のため、何か突出したものを持つ選手が有利という独立リーグからのドラフト指名では、本来であれば「かかりにくい」選手だろう。だが、ここまでコントロールがよければ、「突き抜けた才能」と見る球団が出てくるかもしれない。絶対的なドラフト候補ではないが、前例を覆して指名されてほしいと思わせる好投手だ。

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