元巨人・村田真一が「これぞエース」と唸ったライバル球団の5人。「太く短い野球人生は強烈なオーラを放っていた」 (4ページ目)

  • 水道博●文 text by Suido Hiroshi
  • photo by Sankei Visual

遠藤一彦(元大洋)

 江川卓さん(巨人)が1980年、81年と2年連続で最多勝のタイトルを獲得したあと、82年は北別府学さん(広島)、83年、84年は遠藤一彦さん(大洋/現・DeNA)がタイトルを獲りました。

 遠藤さんもすごいと思う投手のひとりで、とくに印象に残っているのがシーズン37先発した1984年です。17勝17敗と、最多勝とともに最多敗戦を記録し、投球回276、被安打255、奪三振208はすべてリーグ最多。この年、大洋はシーズン46勝、勝率.374とダントツの最下位で、そんなチーム状況のなか、遠藤さんは来る日も来る日も投げ続けていました。体の頑丈さはもちろんですが、精神力の強さも一級品でしたね。

 遠藤さんの代名詞はフォークで、落差が大きく、来るとわかっていても打てませんでした。さすが最多奪三振のタイトルを3度獲得している投手です。

 あと遠藤さんと言えば、巨人のウォーレン・クロマティ選手との"かけ合い"は有名でした。クロマティ選手がいい場面でヒットを放った時、塁上で自分の頭を指差し「頭いいだろう」のパフォーマンス。逆に、遠藤さんがクロマティ選手から三振を奪った時は、同じポーズを返していました。エースと強打者の対決は、ファンを沸かせたものです。

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