石川雅規は「こんなに小さくて大丈夫か?」から現役20年。八重樫幸雄が指摘する体の強さと活躍の要因

  • 長谷川晶一●取材・文 text by Hasegawa Shoichi
  • photo by Sankei Visual

「オープン球話」連載第99回

(第98回:川端慎吾の打撃は「川上哲治レベル」>>)

【東北人らしからぬ人懐っこさ】

――さて、今回からは「小さな大投手」石川雅規投手について伺いたいと思います。石川さんが入団してきたのが2002年、若松勉監督時代です。当時、八重樫さんは一軍打撃コーチでした。打撃コーチと新人投手ということで、あまり接点はなかったんですか?

八重樫 本来は、新人投手と打撃コーチはあまり接点がないんだけど、石川の場合は彼のほうから積極的に近づいてきてあいさつしてくれたんですよ。彼は秋田出身だけど、僕が会ってきた東北出身者の中では珍しく社交性のあるタイプですね。

ヤクルト1年目、勝利を挙げて若松勉監督(右)と握手する石川ヤクルト1年目、勝利を挙げて若松勉監督(右)と握手する石川この記事に関連する写真を見る――どんなあいさつだったんですか?

八重樫 「青山学院大学出身の石川雅規です」から始まって、青学大の河原井正雄元監督の話になったんです。河原井さんはパチンコがすごく好きらしいんだけど、たまたま僕が移動日に新横浜でパチンコをしている姿を監督が見ていたらしいんです。それで、石川が「八重樫さんがパチンコしている時に、河原井監督もいたそうです」って(笑)。

――とてもかわいらしいあいさつですね(笑)。

八重樫 そうでしょ(笑)。それまで、東北人であんなに人懐っこい人はいなかったから、すごく印象に残っているんですよ。入団してからも、石川にはいろいろなことを質問されました。

――バッティングコーチである八重樫さんにどんな質問をしたんですか?

八重樫 いろいろ聞かれたけど、石川は僕がキャッチャーだったことを知っていたから、「キャッチャー目線でのアドバイス」が多かったかな。石川は2ケタ勝てるけど、同じくらい負ける。そんな成績が続いていたじゃないですか。それを打破したくて、いろいろアドバイスを求めていたんでしょうね。

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