ロッテの安田尚憲と藤原恭大はなぜ伸び悩んでいるのか。高木豊は「共通の課題」を指摘

  • 浜田哲男●取材・文 text by Hamada Tetsuo
  • photo by Kyodo News

 昨季は2年連続のリーグ2位に終わったロッテ。今季リーグ優勝を目指すためには、若手選手たちの成長によるチームの底上げが必要不可欠だ。

 なかでもカギを握る存在が、伸び悩んでいる安田尚憲、藤原恭大の両左打者。かつて大洋(現DeNA)での14年間の現役生活において、8度のシーズン3割をマークした高木豊に、同じ左バッターの視点から両選手の打撃面の課題を聞いた。

覚醒が待たれるロッテの安田(右)と藤原覚醒が待たれるロッテの安田(右)と藤原この記事に関連する写真を見る まずは安田。昨季は開幕から4番に抜擢され、4月だけで28打点を挙げるなどシーズン序盤は主軸として打線を牽引した。しかし、徐々に不振に陥って長打率も低下。ベンチ要員として過ごす試合も多くなり、シーズンを通して打撃フォームの模索が続いた。

「一番に言えるのは、体の開きが早いということです。どんな振り方をしていても、開きが早くて大成した選手は過去にいません。とにかく止めるところがなくて、壁ができない。その上、バットを"体で振っている"んです。"腕で振る"ようになったら、よくなりますよ。

 体の開きが早いというのは、(左バッターでいう投手側の)右足の膝頭がすぐにセンターに向いてしまう状態です。センターに向けると体を止めることができませんし、開きを抑えることもできません。安田は膝頭がセンターに向いてからバットを振るので、体でしか振れなくなるんです。体を止めて、腕を素早く振りだしてから回転すればいいのですが、そのバランスがつかめていないですね。

 あと、安田は『右投げ左打ち』ですが、『左投げ左打ち』の打者に比べて利き手で押し込めない。体が開かなければいいんですけど、早めに開いてからスイングするので力が弱くなります。たまに反対方向に打つことはできるでしょうけど、バッティングの基本は、引っ張って遠くに飛ばすことですから」

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