山本昌が語る名将3人との秘話。星野、落合監督の順番が逆だったら現役を長くは「やれていなかった」 (5ページ目)

  • 佐藤俊●文 text by Sato Shun
  • photo by Kyodo News

「野村さんは、非常にやりにくいというかすごい監督でした。僕が嫌だなというバッターを前の試合では外しているんですけど、僕が投げる時に打順に入れてくるんですよ。土橋(勝征)選手、橋上(秀樹)選手、城(友博)選手とかね。そういうのが鋭くない監督は逆に嫌だなって選手を試合の日に外してくれるんです。野村さんは、そこが鋭くて、打順を見ると、あー今日は入っているなぁっていつも思いましたね(苦笑)」

 星野元監督と野村元監督は、鬼籍に入り、名将とのやりとりや勝負は経験として生きている。山本昌さんは2015年に引退後、阪神の臨時投手コーチや母校・日大藤沢高校のコーチをしたりしているが、まだ現場復帰を果たしていない。

 プロ野球界に戻る気持ちはあるのだろうか。

「僕は、後輩たちに経験を伝えていきたいと思っています。そのために今も勉強していますけど、なんせドラゴンズから声がかからないですね(苦笑)。ドラゴンズ1本というわけではないですし、まずは伝えることが大事。もう1回選手とグラウンドで汗水を流したいですし、なんとか早くユニフォームを着たいなって思っています」

 「中年の星」としてこれまで多くの人に勇気を与えてきたが、今度は球界を代表するようなサウスポーを育成する。それは、左腕一本で50歳まで投げ続けてきた山本昌さんだからこそできる夢のある物語だ。

FMヨコハマ『日立システムズエンジニアリングサービス LANDMARK SPORTS HEROES

毎週日曜日 15:30〜16:00

スポーツジャーナリスト・佐藤俊とモリタニブンペイが、毎回、旬なアスリートにインタビューするスポーツドキュメンタリー。
強みは機動力と取材力。長年、野球、サッカー、バスケットボール、陸上、水泳、卓球など幅広く取材を続けてきた二人のノウハウと人脈を生かし、スポーツの本質に迫ります。
ケガや挫折、さまざまな苦難をものともせず挑戦を続け、夢を追い続けるスポーツヒーローの姿を通じて、リスナーの皆さんに元気と勇気をお届けします。

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