ヤクルトの4649安打の教材。内川聖一&青木宣親が若手に与える影響 (2ページ目)

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya
  • photo by Koike Yoshihiro

 これまで内川は通算2171安打を放ち、首位打者2回、最多安打2回のタイトルを獲得。青木は日米通算2478安打を放ち、日本では首位打者3回、最多安打2回を記録している。

 キャンプを見ていると、内川加入の効果をさっそく感じることができる。西浦直亨が内川の打撃練習に見入っている姿はとても印象的で、スイングから打球の行方まで目を離さず追いかけていた。

 内川はプロ8年目に打率.378で首位打者を獲得し、一躍球界を代表するバッターへと成長を遂げた。今年プロ8年目となる西浦も飛躍のシーズンにしたいところだ。

 また6年目の廣岡大志は、積極的に内川に近づき、質問を繰り返していた。

「同じ右打者で実績もすごいですし、教科書みたいな方が同じチームなのでプラスしかないです。聞きたいことは全部聞いて、吸収していこうとやっています」

 先日は一死三塁で、内野の守備位置が下がっている場面での打席について、内川に質問したという。

「内野ゴロでも1点が入る時に、どういう心理で打席に立っているのかを聞きました。僕はゴロで1点だと思うと、それを意識しすぎるあまり(体が)前に出てしまうので......。もう少し簡単にゴロを打つためにはどうすればいいのか。打ち方というよりも、考え方の部分を聞きました。内川さんは『そういう時は詰まったろ』くらいの気持ちでいいんだよと」

 今回のキャンプにはOBの古田敦也氏が臨時コーチとして選手たちにアドバイスを送っていた。

「若い選手というのは劇的に伸びる瞬間があるので、それを信じて頑張ってくれたらと思います」

 このキャンプでの内川と青木の練習する姿を見れば、若い選手が劇的に伸びる瞬間の手助けになってくれるのでは......と期待は膨らむばかりだ。

 青木は、朝は誰よりも早くトレーニングルームに来て、自転車を漕いだり、ストレッチをしたり、体幹強化に励んでいる。その姿を見るだけでも大きな刺激となるはずである。

 2月18日、グラウンドで山田哲人と村上が打撃練習をしている時だった。そのうしろで内川と青木がふたりのバッティングを見ながら話し合っていた。

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