山本昌が早川隆久のフォーム論に驚き「40歳で気づいたことを22歳でしている」 (3ページ目)
早川 小宮山監督が就任してから、研究室の方や矢内利政教授とタッグを組むようになりました。動作解析で見えてきた悪い点について、トレーナーの土橋恵秀さんからアドバイスをいただいて取り入れていきました。
山本昌 動作解析でどんな悪い点が出てきたんですか?
早川 腕と頭が離れていたり、下半身の回旋がちょっと微妙に早かったりしていました。
山本昌 腕と頭の位置は、今は近くなっているんだ。
早川 そうですね。腕と頭が少し離れていた分、シュート回転が多くて、バッターにとっては見やすいボールでした。また、飛距離がつきやすくなっていて、被本塁打も多かったんです。3年生になってから一気に被本塁打が減ったので、ボールの回転はよくなったと思います。
山本昌 下半身の回旋については?
早川 骨盤が横に回っていたので、それを斜めにするイメージに変えたんです。右の股関節にフィニッシュが入るようにしたら、腕を振る位置も2〜3センチ上がって、だいぶ上から叩けるようになりました。
山本昌 なかなか早川くんの腕の位置で投げられるピッチャーはいないですよ。藤浪晋太郎(阪神)がこれをできたら、お化けみたいな成績を残すんじゃないかな(笑)。
---- 平凡な野球選手は自分の頭でイメージしている動きと実際の動きのギャップが大きいと思うのですが、早川投手は誤差が小さいようですね。
早川 人から「こうやってみて」と言われてやってみたことが、意外と20〜30分くらいで体現できてしまいます。インプットしやすいタイプなのかなと思います。
---- モノマネも得意ですか?
早川 モノマネはそんなに得意ではないです。モノマネって、その選手の特徴を見て、若干誇張してやれば完成すると思うんですけど、自分はそれが得意ではなくて。
山本昌 モノマネがうまい人で、野球が上手な人って少ないですよ。
早川 へぇ、そうなんですか。
山本昌 そうやって昔から言われています。
---- 言われてみれば、モノマネが得意なのは主力選手ではないような気がします。
山本昌 そうでしょう?(笑) ところで、早稲田大の小宮山監督は早川くんのようなピッチャーを育てるなんて、すばらしい指導をしていますね。
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