監督・原辰徳について岡田彰布が語る。「本当に強い巨人を創ろうとしている」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • photo by Kyodo News

── その頃と比べて、今の原監督はどのように映っていますか。

「いろんな意味で余裕を感じる。監督として経験を積んだというのが一番やと思うけど、今は目の前の試合だけじゃなく、将来を見据えながら戦っているように見える。オレと戦っていた頃は、まだ補強に頼っていた時代。小笠原(道大)とか、他球団の主力やエース級の選手が毎年入っていた。今は若手を積極的に起用し、育成に力を入れている。本当の意味で"強い巨人"を創ろうとしている」

── 昨年監督に復帰されていきなり優勝し、今年もここまで独走しています。

「ほかの監督と比べて、経験の差が出ているのは明らか。どのチームも巨人より圧倒的に戦力が劣っているとは思わない。それでもこれだけの差が出るというのは、ベンチワークに差があると言わざるを得ない。選手起用もそうだし、試合の戦い方など、すべてにおいて原の方が一枚上やないかな。とくに今年に関しては、ベテランをうまく休ませながら使うなど、シーズンを考えながら戦っている」

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── 原監督との戦いのなかで、印象に残っている試合はありますか。

「やっぱり2008年の巨人との最終戦やな。勝ったほうが優勝に大きく近づくという大一番やったけど、1対3で負けた。結局、その試合が原との最後の試合になった。その試合に負けたこともそうやけど、あの年はシーズン前半戦で巨人には最大13ゲーム差も離していたんよ。普通に考えれば、優勝なんてありえない位置にいたのに、そこから巻き返してきたんやから。そらすごいことよ。選手個々の能力はもちろんあったと思うけど、ゲームプラン、シーズンを通した戦い方がうまい。選手に対して厳しい部分はあると思うけど、モチベーションを落とさせないようにやっている」

── 原監督はベテランに対しても遠慮することなく、時に"非情采配"と呼ばれることもあります。

「勝負の世界は結果がすべてだから、ベテランであっても期待に応えられないのであれば、交代させられたり、バントをさせられたりするのは当然やと思う。監督は勝つために最善を尽くしているわけで、それをどう受け止めるかは選手の問題であって、オレは"非情采配"とは思わない」

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