セ独走の広島。最強カープ打線の秘密は「盗塁革命」にあった (3ページ目)
―― ただ数が多いだけじゃなく、成功率も高い。昨年は61.5%でしたが、今年は76.1%。それとは対照的に、犠打数は激減しています。高コーチは「盗塁と犠打の成功率はそんなに変わらないんじゃないか」と言っていました。
「選手たちの反応がいいというか、ピッチャーをよく見て、いいスタートが切れるときだけ走る。これができている選手が多いということですよね。犠打が少ないのは、バントでアウトを与えるのではなく、なんとか足を絡めた攻撃をしようと。クイックがうまいピッチャーが相手でも序盤からバントで送ることはしません。そのなかで隙を見て走らせるようにしています。(緒方孝市)監督もピッチャーを観察しています。あと、今年は四球も多いんじゃないかな。よくボールを見て出塁してくれるから、そこもまた攻撃としてつながりができる」
次に3人の選手に盗塁への意識について聞くと、こんな答えが返ってきた。
「クイックが速いピッチャーでも、意識が打者メインのモーションになるときがあります。それが何球あるかわからないですけど、そのときに走れる準備はいつもしています」(丸)
「走っていいと言われているので、サインが出たら『走っちゃおう』みたいな感じです」(鈴木)
田中広輔は盗塁の成功率が、昨年の46.2%から68%と大きく向上。先述したように、盗塁数はリーグトップタイを誇っている。
「盗塁への意識は入団1年目からありましたが、今年はよりいっそう意識が高いです。河田コーチからはいろいろなアドバイスをいただいています。ミーティングの段階から準備がしっかりできているので、それが失敗の減った理由だと思います。チーム全体が走ることを意識しているので、盗塁することで勢いがつくというのはあると思います」(田中)
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