ジャパニーズドリームを求めて。四国ILで戦う南半球の外国人選手たち

  • 阿佐智●文・写真 text&photo by Asa Satoshi

 豪州野球の聖地といっていいゴールドコーストで生まれ育ったチェンバースは、物心がついたときからグラブを手にボールを投げていた。2010年、彼が19歳のとき、この年から復活した母国のウインターリーグ、ABLのブリスベン・バンディッツでプロキャリアが始まった。しかし、登板機会に恵まれず、初勝利は4シーズン目の途中で移籍したキャンベラ・キャバルリーでのことだった。

 その間、北半球に春が来れば、プレーの場を求めるために海を渡り、キャリアアップを目指した。

 日本では2012年の関西独立リーグを皮切りに、翌2013年と2015年はルートインBCリーグに修行の場を求めたが、自ら最終目標と位置づけるNPBにたどり着くことはできなかった。すでに25歳、この年齢ではいまさらアメリカでのキャリア構築も難しいと判断し、「助っ人枠」を狙ってNPBに人材を毎年のように送り出している香川に入団した。その裏には、ブリスベンでチームメイトだったマエストリやネイラーのアドバイスがあったと言う。

「彼らとはメールのやりとりをしているからね。昨年プレーした新潟より暖かいって聞いていたけど、その通りだね」

 事前の情報交換もあってチームにはすっかり馴染んでいるという。親日家の彼は、すでに片言の日本語を操る。香川のソウルフード"うどん"もすっかりお気に入りだ。

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