谷繁元信が今だから語る「プレーイングマネージャーの苦しさ」

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva  寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi
  • 小池義弘、五十嵐和博●写真 photo by Koike Yoshihiro、Igarashi Kazuhiro

野村 投手陣では若松が10勝、大野(雄大)が11勝したけど、あとの投手は……特にリリーフが計算外だったよね。

谷繁 そうですね。一昨年の8月に岩瀬(仁紀)が肘を故障してから、又吉(克樹)が8回、福谷(浩司)が9回という形を作り1カ月半ほど回してみて、少しはできるなっていう手応えを持って昨シーズンが始まったんです。ところが、開幕の阪神戦でいきなり3点差を追いつかれてサヨナラ負け。結局あれが最後まで尾を引いたんですよね。

野村 それでも、シーズンを通してよう我慢して使っていたと思うよ。

谷繁 まあ、失敗は誰にでもあること。僕の経験上、成長するためには必要なことだと思っています。あの佐々木(主浩)さんだってどれだけ失敗したかって話ですよ。

野村 まあね。

谷繁 そうやってみんな、失敗を次に力に変えていけるかいけないかじゃないですか。だから、又吉にしても福谷にしても、この2016年がポイントになりますよ。

野村 去年、我慢して使ってもらったわけだからね。それはやっぱり恩返しせなあかんわな。

谷繁 野球選手で失敗しない人なんて誰ひとりとしていないわけですからね。僕だって、1438敗したんですから。

野村 そうだよ。『すぽると』のスタッフがシゲの生涯通算勝敗数を7人ぐらいで全試合調べてくれたんだよね。その結果、日本記録の3021試合の内訳は1516勝1438敗67分だったって。78勝も勝ち越していた。勝てなかった大洋時代もあるのに……すごいことだよ、これ。

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