谷繁元信が盟友に明かす「引退の経緯と最後に見せた涙のわけ」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●構成 text by Sportiva 寺崎敦●取材協力 cooperation by Terasaki Atsushi
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

野村 でも、本拠地で引退スピーチもセレモニーもやらないし、大記録を作った選手の割に、外から見るとすごくあっさりした引退だと思ったんだけど、やっぱり監督という立場があるといろいろと気を遣うんだろうね。

谷繁 まぁ、それを抜きにしても、元々引退セレモニーって性格的にもどうなのかなという思いが自分の中にはありましたからね。ファンの方たちには、引退会見でメディアを通じて思いを伝えることができたので、これでいいのかなって。

野村 でも僕らとしては、シゲの選手として最後の試合を横浜スタジアムでやってくれたのは嬉しかったよ。最後、ドラゴンズとベイスターズ、両方のファンに歴代の応援歌で送ってもらってね。一番嬉しい時間ですよ。

谷繁 運よくベイスターズとの中止になった試合があの日に入っていましたからね。ナゴヤドームでの試合はその前に全日程を終了していましたから。それにやっぱり横浜でプロとしての第一歩を踏み出したこともありましたし、横浜に住んでいる息子たちも呼びたかったですし。

野村 よかったよね。花束も渡してもらって、シゲが泣いてる姿なんて、初めて見たかもしれない。

谷繁 やっぱり花束をもらった時はこみ上げてくるものがありましたよ。これで本当に終わったんだな......っていう実感がね。ただ、出番が終わった後も、感傷に浸る間もなくベンチで試合を動かしていかなければいけない。その切り換えはしっかりしなきゃいけないなと思っていましたけど。

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