オリックス・カラバイヨの野球人生を変えたラミレスからの金言 (3ページ目)

  • 波佐間崇晃(オリックス・バファローズ球団映像アナウンサー)●text by Hazama Takaaki
  • 牛島寿人●写真 photo byUshijima Hisato

 練習後や試合後、ふたりはしばしば一緒に夕食に出かけた。そこでラミレスがよく口にしたのは、日本の文化を学ぶことの大切さだった。ラミレスはカラバイヨに精神面からの変化をうながした。

「最高のプレイをするには、気持ちをその土地に落ち着かせることが必要。日本を知り、日本人の考え方を理解することが、日本の野球を理解することにつながるんだ」

 以来、カラバイヨは寿司を食べ、納豆を食べるようになった。また、それまであまり見ることのなかった日本のテレビ番組も見るようになった。日本人の考え方に興味を持つことは、「配球の研究」へとつながっていく。カウント別の投球パターンを考えるようになり、試合に臨むようになった。

 配球の研究のほかに、技術面でカラバイヨが取り組んだのが「低めのボールへの対応」だ。日本の野球の特徴として、ラミレスが挙げたのが低めゾーンの攻めだった。

「NPBレベルになると、投手は低めギリギリの球で勝負してくる。NPBで活躍するためには、ここのゾーンを打てるかどうかが大事なポイントになる」

 それまでは「甘い球を確実に仕留める」と考えていたカラバイヨだったが、それからはあえて低めの球に狙いを定めるということを試みるようになった。試合後はトスバッティングで重点的に低めに投げてもらい、打ち返した。その結果、打率.396をマーク。打率、本塁打、打点の打撃3部門でトップをマークし、BCリーグ初の三冠王に輝いたのだ。

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