谷繁監督が語る「2014年の中日に足りなかったもの」 (2ページ目)

  • キビタキビオ●構成 text by Kibita Kibio
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

野村 5月に入ってもなかなか貯金が作れず、なんとか踏ん張っているという状況でした。問題は、やはり投手陣。特に、ローテーションを期待していた投手が思うようにいきませんでした。

谷繁 シーズン序盤に先発5番手、6番手の投手がゲームを作れない状況が続いたのは痛かったです。

野村 リリーフの岩瀬(仁紀)にしても、年齢的な勤続疲労がある中で打たれながらもなんとか抑えてきたけど、ポツポツやられるときはどうしても出てきています。でも、"鉄人"だよね。行けるところまでいってほしい。

谷繁 登板889試合ですよ。そんなピッチャーいますか? もっとリスペクトされてもいいと思うんですよ。「良い状態を保てないならプロでいる意味はない」という考えも中にはあるかもしれないですけど、どんな状態でも抑えれてくれればいいわけじゃないですか。

── そんな苦しい状況の開幕直後から、交流戦に入ったあたりでようやく盛り返してきました。

谷繁 僕自身、キャンプから3カ月くらいは、どういうふうにやっていくのが一番いいのかを考えながら、ほとんど何も言わず見てきました。その中で、「この選手はこのくらいわかっているだろう」と思っていた感覚と少し違うところが出てきまして......。4月の終わり頃から選手と一対一で話をする場を持つようにしたんです。そうしたら「それもわかっていなかったの?」ということがいっぱい出てきて......。それからですね。僕の意識も変わっていきました。

野村 監督になるまではわからなかった?

谷繁 去年まで一緒にミーティングに出て、一選手としてアドバイスをしていたので、ある程度はわかっているだろうと。ところが、そのレベルでこちらが聞いたことに対してまったく答えられない。ただそこで、真っ先にこちらの意図を理解してくれたのが福谷(浩司)でした。アイツは1回話をしたら、しっかり自分で考えてやってくれる。

野村 シーズン後半は若いピッチャーが定着しましたね。特にリリーフは、福谷、又吉(克樹)、祖父江(大輔)といった選手が頑張りました。

谷繁 そうですね。8月の後半に信じられないくらい負けが込みましたけど、そこから9月にかけては盛り返すことができました。中継ぎに関してはある程度計算できるメンバーが揃いつつあると思っています。

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