楽天・則本昂大が胸に刻む「田中将大の3つの言葉」

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 小池義弘●写真 photo by Koike Yoshihiro

 昨シーズン、ルーキーながら開幕投手に抜擢され、15勝をマークするなど、球団創設初優勝に大きく貢献した楽天・則本昂大。2年目の今季はこれまで絶対的エースとしてチームを支えた田中将大がメジャー移籍を果たし、則本にかかる期待はさらに大きい。開幕を間近に控え、楽天の新エースとなるべき男は何を思うのか。そして田中から託されたものとは?

2年連続開幕投手を目指す則本昂大。2年連続開幕投手を目指す則本昂大。

―― 開幕まであと少しとなりました。ここまで状態はいかがですか?

「今年は2年目ということもあって、気持ちの部分で余裕があります。マイペースにできているというか、コンディショニングを考えながら調整できました。今のところケガもなくしっかり投げることができていますし、順調にきていると思います」

―― 昨年はルーキーながら開幕投手に指名されました。その時はどんな心境でしたか。

「1年目で何もわからない状態でしたので、特に驚きもなく、緊張もしませんでした。ただ昨年に関しては、田中さんがWBCに行っていたために、僕に大役が回ってきただけで、開幕を狙っていたわけでもないですし、掴み取ったとも思っていません。でも今年は、開幕を任せてもらいたい気持ちが強く、何としても掴み取りたいと思っています」

―― 昨年の開幕の日のことを覚えていますか。

「ヤフードームでのソフトバンク戦だったのですが、とにかくファンの声援が凄かったです。オープン戦とは雰囲気が全然違いましたね。やはり開幕は特別な試合なんだと、あらためて思いました。あと覚えているのは、開幕当日ではないのですが、2、3日前に田中さんから『自分の持っているものを出してくれればいいから。持ってないものは出せないんだから』という言葉を掛けてもらったことです。これで気持ちが楽になったというか、無理して頑張らなくてもいいんだと思えるようになりました。この言葉は、僕の中ですごく大きな支えになりました」

―― その田中投手が抜け、自分がやらなきゃいけないという気持ちはありますか。

「田中さんの抜けた穴は大きすぎて、ひとりの力ではどうすることもできません。投手陣全員がカバーしながらやっていくしかないと思っています。よく『田中の次はオマエがエースだ』と言ってくれる人もいるのですが、自分ではまだエースだと思ったことは一度もありません。もっと周りから認めてもらうような成績を残さないと。でも、エースは別として、投手陣の先頭に立てるようにしたいという気持ちはあります」

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