記録ラッシュのプロ野球。それでも抜けない不滅の記録は?

  • 島村誠也●文 text by Shimamura Seiya

 バレンティン(ヤクルト)が9月15日の阪神戦で56号&57号本塁打を放ち、1964年に王貞治(巨人)が樹立したシーズン最多本塁打記録を49年ぶりに更新した。投げる方では、田中将大(楽天)がプロ野球の歴史を刻み続けている。8月9日に開幕16連勝を達成すると、同16日には昨年からの連勝記録も21として、ともにプロ野球記録を更新。そして9月13日のオリックス戦で勝利を挙げ、開幕21連勝をマーク。稲尾和久(西鉄)が1957年に記録した同一シーズン20連勝を56年ぶりに塗り替えた。ちなみに、昨年からの連勝も25に伸ばし、これはメジャーリーグで1936年から37年にかけて24連勝したカール・ハッベル(ジャイアンツ)を超える世界新記録である。

49年ぶりにシーズン最多本塁打記録を更新したバレンティン49年ぶりにシーズン最多本塁打記録を更新したバレンティン

 プロ野球には、絶対に破られることがないと思われる記録、いわゆるアンタッチャブル・レコードが数多く存在する。シーズン55本塁打も、シーズン20連勝もそのひとつだったと思う。しかし、そのふたつの大記録はバレンティン、田中によって破られた。そこであらためて不滅の記録を振り返り、この先も絶対に抜けない記録、それとももしかしたら抜けるかもしれない記録はどれなのかを考えてみたい。まずは投手の記録から。

■投手の主な記録
通算勝利数       400勝/金田正一(国鉄、巨人/1950~1969年)
通算最多奪三振    4490奪三振/金田正一(国鉄、巨人/1950~1969年)
通算セーブ数      381セーブ/岩瀬仁紀(中日/1999年~)
シーズン最多登板   90試合/久保田智之(阪神/2007年)
シーズン最多勝利数 42勝/スタルヒン(巨人/1939年)、稲尾和久(西鉄/1961年)
シーズン最多奪三振 401奪三振/江夏豊(阪神/1968年)
シーズン最多投球回 541回1/3/林安夫(朝日/1942年)
シーズン最高防御率 0.73/藤本英雄(巨人/1943年)
1試合最多奪三振  19奪三振/野田浩司(オリックス/1995年)
最速記録        162キロ/クルーン(巨人/2001年)

 この中で抜かれる可能性が限りなくゼロに近い記録は、通算勝利数、シーズン最多勝利、シーズン最多奪三振、シーズン最多投球回の4つだろう。

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