【特別対談】千賀滉大が『キングダム』原泰久に明かした「メジャー1年目で12勝を挙げられた理由」 (3ページ目)

  • 田尻耕太郎●文 text by Tajiri Kotaro
  • 市川光治(光スタジオ)●編集協力

千賀 ただ、ボールに関しては「こんなに滑るんや」と思うことが多かったです。でも、とにかくビビらずに、何でも受け入れるようにしていました。

 メジャーリーグのマウンドという戦場に向かう時、緊張しますか?

千賀 淡々としています。緊張したのはデビュー登板の時だけですね。

 士気を上げて臨むという感じではないんですね。

千賀 アメリカに行ってからは、とくにそうですね。打者のデータを調べ尽くして、情報をひとつでも多く持ってマウンドに上がることを大切にしています。そうすることで不安なく自分のやるべきことに集中できますし、士気を上げるというか日常からずっと試合のための準備をしているので、気持ちのムラがなくなりました。

【僕の性格は漫画を読んでできあがった】

 野球って、投手が投げないと始まらない競技じゃないですか。自分の1球で仲間を鼓舞しようとか、そういった気持ちになることはありますか?

千賀 結果的にそうなるかもしれませんが、僕自身はとにかくチームが勝つため、勝ちに近づくために投げなきゃいけないと思っています。野球選手なので成績が付き物ですが、自分の数字のために投げるというのもあまり思わなくて......。点差があって、余裕のある展開だったら代えてくれと思っちゃうタイプなので。逆に自分が1点取られて負けているとか、競ってて自分が投げなきゃいけない時は、とことんいきたいと思っています。

 カッコいいですね。やっぱりサブキャラではないですね。尾平とかだったら圧勝しているところで投げて成績を稼ぎたいと思うはず。

千賀 たしかに(笑)。僕の性格ってたぶん漫画を読んでできあがったと思います。すごくはっきりしている。漫画のおかげです(笑)。

── 勝者のメンタルですね。

千賀 でも「メンタル」という言葉って、自分のやることや目指す場所が決まっている人は口にしないイメージがあります。逆に、中途半端でやりたいことが決まっていない人が使う言葉かなと。

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