大谷翔平のMLB開幕戦はなぜ韓国開催? そこに至る経緯と韓国側の受け入れ体制が整った事情 (2ページ目)

  • 吉崎エイジーニョ●取材・文

【韓国ではもともとドジャースの人気が高い】

 MLBは1996年のメキシコでの公式戦開催を皮切りに、海外で試合を開催してきた。以降、ここまで日本で5回、イギリスで2回、オーストラリアで1回、メキシコとプエルトリコでは多数の試合が行なわれている。

 この流れの一環で、2024年の開催地に韓国が選ばれた。「韓国はアメリカ、日本に次ぐ野球の大きなマーケットですから」(チェ氏)。

 つまり「ドジャースもパドレスも韓国側が選んだチームではない」(チェ氏)。

 ではなぜ、この2チームをMLB側が選んだのか。公式的な発表はないようだが、韓国の視点でこれを推測するのはあまり難しくはなさそうだ。まず今回の2試合がホームゲーム扱いのパドレスについて。

「韓国人メジャーリーガーのうちのひとり、キム・ハソンが所属していることが何よりの理由でしょう」(チェ氏)

 実際にMLB公式サイトでも、現地時間17日にキム・ハソンの「母国でプレーできるのなら嬉しい」という談話を記事にしている。 その相手に選ばれたのがドジャースだった。

「あくまで一般論ですが、韓国ではもともとドジャースの人気が非常に高い。1990年代には朴賛浩(パク・チャンホ)、2010年代には柳賢振(リュ・ヒョンジン)が活躍して、連日チームの姿が報道されていましたから」(チェ氏)

 もともとMLB側が2024年の新たな開催国を探しているところに韓国がはまり、「韓国での人気チーム」ドジャースに大谷がやって来た。簡潔に言うと、こういった構図だ。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る