山本由伸のライバルは今永昇太だけじゃない ナ・リーグ新人王争い「A・ジョーンズ2世」は要チェック (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【プロスペクトランキング2位の外野手20歳】

 ちなみに過去10年に新人王を受賞した20人の内訳は、野手16人と先発投手ふたりに、リリーフ投手と二刀流選手がひとりずつだ。

 先発投手は、2014年のジェイコブ・デグロム(当時ニューヨーク・メッツ/現テキサス・レンジャーズ)と2016年のマイケル・フルマー(当時デトロイト・タイガース/現ボストン・レッドソックス)。ふたりとも規定投球回には届かなかったが、どちらのシーズンも同じリーグに400打席以上でOPS.740を超えたルーキーはいなかった。リリーフ投手のデビン・ウィリアムズ(ミルウォーキー・ブルワーズ)が受賞した2020年は、1チーム60試合の短縮シーズンだった。

 もちろん、新人王レースで山本のライバルとなるルーキーは、日本や韓国から移った選手にかぎらない。なかでも評価が最も高いのは、20歳のジャクソン・チョーリオ(ブルワーズ)だ。『ベースボール・アメリカ』と『MLB.com』がともにプロスペクト・トップ100の2位に挙げている。いずれのランキングでも、その上にいるのはア・リーグのジャクソン・ホリデイ(オリオールズ/20歳)なので、ナ・リーグではチョーリオがトップということになる。

 チョーリオはファイブツールを備えた外野手で、センターを守る予定だ。2年前の夏に『スペクトラム・ニューズ』のマイク・ウッズが書いた記事によると、当時チョーリオが在籍していたマイナーリーグの監督は「アンドリュー・ジョーンズを彷彿させる」と語っていたという。ジョーンズは、2013年〜2014年に東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーする前に、メジャーリーグで434本のホームランを打って152盗塁を決め、ゴールドグラブを10度受賞した選手。

 昨年12月、チョーリオはブルワーズと8年8200万ドル(約122億円/2024年〜2031年)の延長契約を交わした。山本のようなほかのプロリーグでプレーしてきた選手を除くと、これはメジャーデビュー前の選手が得た契約では史上最高の総額だ。

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