大谷翔平、ベッツ、フリーマンの後続打線を分析 ドジャースは4番〜9番に不安あり? (2ページ目)

  • 奥田秀樹●取材・文 text by Okuda Hideki

【不安要素の多い5番以下の打線】

 さて1番から4番までは良い話ばかりだが、5番から9番の打者は不安要素が少なくない。

 5番のマックス・マンシー三塁手はチームのレギュラーでは最も古株。2018年以降、4度も35本塁打以上をマークし、466四球はチーム最多。だが、近年は打率が低迷し2022年は.196、2023年は.212である。さらに三振も多い。2021年の最後の試合で右ひじ側副じん帯を痛めたが、その影響が今も残っているそうだ。守備はもともと得意ではなく、2年前から三塁に回ったが、2022年は三塁で10失策、2023年はナ・リーグ三塁手でワーストの16失策である。

 6番はテオスカー・ヘルナンデス左翼手。指名打者を右打者のJD・マルティネスから左打者の大谷に代えることで、左投手を攻略できる右の大砲がもう一枚必要になった。ヘルナンデスは8年のメジャーキャリアで対左投手の通算OPSが.887である。とはいえ昨季のヘルナンデスはシアトル・マリナーズで打率.258、出塁率.305、長打率.435と著しく成績を落としていた。ロバーツ監督は「大事なのは周りの打者を信じて、ストライクゾーンの球に集中すること。それができれば長打は付いてくる」と期待する。性格は陽気で、ドジャースの公式X(旧ツィッター)には笑顔で大谷にスペイン語を教える様子が投稿されている。

 7番はジェイソン・ヘイワード右翼手。2021年、2022年はシカゴ・カブスで打率.214、.204の不振、2023年はドジャースで.269と復活したが、34歳の今年も好成績を維持できるかどうかは分からない。8番、9番はジェームズ・アウトマン中堅手とガビン・ラックス遊撃手。ともにドジャース生え抜きの若手で、うまくいけばスターになるかもしれないが、期待外れで全く活躍できないかもしれない。特にラックスは遊撃手としてシーズンを通してレギュラーでプレーするのは初めてだ。

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