前田健太と菊池雄星はローテ入り確定、上沢直之はリリーフから先発転向も...ア・リーグ日本人投手3人の期待度 (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【今オフFAの菊池雄星は2024シーズンが最重要】

 先発最後の5番手は、若手のアレック・マノアか、前・中日ドラゴンズのジャリエル・ロドリゲスのどちらかだろう。マノアは再スタートのシーズン。メジャーデビューした2021年に111.2イニングで防御率3.22を記録し、2022年は196.2イニングで防御率2.24と飛躍を遂げたが、2023年は制球難に陥り6月と8月に降格。87.1イニングで防御率5.87に終わった。

 ロドリゲスは5年3200万ドルの契約で入団した。イニングに加えて完了数による出来高もついていることから、リリーフ投手としての起用も想定されている。『MLB.com』のキーガン・マシソン氏によると、キャンプインしたロドリゲスは「先発投手として投げたいが、チームのためにどんな役割でもこなす」と語ったという。

 いずれにせよ、先発1番手から4番手までは、ブルージェイズはどのチームにも引けを取らない。今シーズン目指すのは、過去2年に続くポストシーズン進出のその先だ。FAイヤーの菊池にとっては来年以降の契約を左右する、重要なシーズンでもある。

 ブルージェイズと同じア・リーグ東地区のタンパベイ・レイズには、日本ハムからポスティングシステムで上沢直之(30歳)が入団した。上沢はマイナーリーグ契約からメジャーデビューを目指す。

 現時点でローテーションを組むとすれば、ザック・エフリン、アーロン・シバーレ、ザック・リテル、ライアン・ペピオ、タージ・ブラッドリーの5人が有力だ。もっとも、4番手と5番手は確定していない。

 ペピオは12月のトレードで、ジョニー・デルーカとともにロサンゼルス・ドジャースから加入した。入れ替わりにレイズからドジャースへ移ったのは、タイラー・グラスナウとマニュエル・マーゴ(+金銭)だ。レイズはFAまであと1年の先発投手と外野手を放出し、長く保有できる若手の先発投手と外野手を手に入れた。

 ペピオがメジャーリーグで投げたのは、2022年〜2023年の計78.1イニングだ。先発登板に限ると49.1イニングしかない。ブラッドリーはペピオに勝るとも劣らぬプロスペクトとして期待されていたが、メジャーリーグ1年目の昨年は先発21登板の102.2イニングで防御率5.52と結果を残せず、最後の2登板はリリーフとして投げた。

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