大谷翔平は打点王のチャンス、吉田正尚はDH専任? ヌートバーは20本塁打も...MLB日本人バッター5人の現在地 (3ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【今季の大谷翔平は本塁打王より打点王が狙い目】

 24歳のアブレイユは、2023年8月にメジャーデビューした。シーズン前半は3Aの86試合で22本塁打、出塁率.391とOPS.930を残し、デビュー後は28試合で2本塁打、出塁率.388とOPS.862を記録した。

 32歳のレフスナイダーは、パワーこそないものの、出塁率は過去2シーズンとも.360を超えている。彼らは4人とも、センターを守ることができる。

 さらに、昨夏にメジャーデビューした23歳のセイダーン・ラファエラもいる。5ツールを備え、内野も守る小柄なレッドソックスの選手ということから、ラファエラはムーキー・ベッツ(現ロサンゼルス・ドジャース)に準(なぞ)えられてきた。

 開幕ロースターに入るかどうかは微妙なところだが、噂されているデュランのトレードが実現すれば、外野には左から右に、オニール、ラファエラ、アブレイユが並びそうだ。

 また、吉田はDHとしての出場機会も約束されてはいない。DHを完全に固定しないのは、昨年10月に編成責任者となったクレイグ・ブレズロウの方針らしい。

 吉田はDHに求められる一般的なツールである、パワーに欠ける。2023年のホームランは15本だ。1本当たりの35.8打数は、鈴木と比べても10打数多い。

 しかも、前半の打率.316と出塁率.382から一転し、後半は打率.254と出塁率.278に終わった。後半の出塁率は200打席以上の175人中161位だ。パワーや打率はともかく、開幕から出塁率が低空飛行を続けた場合は、ベンチを温めることになりかねない。

 DHでの出場は、ロサンゼルス・エンゼルスからドジャースへ移った大谷翔平(29歳)も同じ。ひじの手術を受け、2024年のマウンドには上がらない。

 2年続けて本塁打王もあり得るが、より可能性が高いのは、初の打点王だ。打順はベッツとフレディ・フリーマンに続く3番、あるいはふたりの間の2番が予想される。ベッツもフリーマンも、2023年の出塁率は.405以上だった。

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