大谷翔平は打点王のチャンス、吉田正尚はDH専任? ヌートバーは20本塁打も...MLB日本人バッター5人の現在地 (2ページ目)

  • 宇根夏樹●取材・文 text by Une Natsuki

【吉田正尚の守備は決してうまいとは言えない】

 一方、今年がメジャーリーグ2年目となるボストン・レッドソックスの吉田正尚(30歳)は、レフトの守備につく機会が減り、主にDHとして起用される見込みだ。

『ボストン・グローブ』のアレックス・スパイアー氏らによると、アレックス・コーラ監督はキャンプイン早々に「まだ決まったわけではないし、彼(吉田)がDHとは言わない。けれども、(DHを務める)グループのなかで打数は最も多くなるだろう」と語ったという。

 吉田の守備は、決してうまいとは言えない。2023年のDRS(ディフェンシブ・ランズ・セーブド/※1)は-4、OAA(アウト・アバブ・アベレージ/※2)は-8だ。ちなみに、鈴木はどちらの守備指標も+2を記録した。

※1=選手の守備力を測る指標のひとつ。たとえばDRS=5ならばシーズンで平均的な野手に比べて5点多く防いだことを表し、逆に-5ならば5点多く与えたということになる。

※2=守備の評価指標のひとつ。平均的な野手と比べてどれだけ多くのアウトを奪っているかを数値化したもの。シーズンで取ったアウトが平均値より下回った場合、マイナス数字となる。

 吉田をDHにしても、レッドソックスの外野手は足りている。レフトが新加入のタイラー・オニール、センターがジャレン・デュラン、ライトがウィリアー・アブレイユ、控えはロブ・レフスナイダーになると思われる。

 28歳のオニールは過去2年こそ不振ながら、2021年は34本のホームランを打ち、出塁率.352とOPS.912を記録した。セントルイス・カージナルスでは主にレフトを守り、2020年〜2021年はゴールドグラブ賞を連続受賞している。

 27歳のデュランは、メジャーリーグ3年目の2023年に台頭してきた。4月中旬に3Aから昇格し、102試合で8本塁打と24盗塁、出塁率.346とOPS.828を記録。ホームランはひとケタながら、34本の二塁打を打った。

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